2011年3月 5日 (土)

ヴィジェ・ルブラン展のこと

 のんびり起きて洗濯して、ブランチして、午後からは、たまった経費精算を片付けて、請求書を2通書き、遅めのランチを食べて、お茶しながらテレビでJリーグ観戦……まあ、平和な土曜日。久しぶりかも。でも、このあとに確定申告が控えている……と考えると平和じゃないけど。そろそろ始めなきゃな。と、その前に、今週月曜日に内覧会に行ってきた「ヴィジェ・ルブラン展」のことを少し。
 冷たーい雨がそぼふる中、丸の内にできた三菱1号館美術館に行ってきた。ヴィジェ・ルブランはマリー・アントワネットのお抱え画家として、王妃の肖像画を何枚も描いた女性画家。ライターになってこれまで、ヴェルサイユやマリー・アントワネットについて何度か原稿を書いているけど、そのたびに資料としてルブランの描いたアントワネットの肖像画を何度、目にしてきたことか。実際にヴェルサイユ宮殿で見たことがあるのは「薔薇をもつマリー・アントワネット」や「マリー・アントワネットと子供たち」とか、だけど、今回はまた別のアントワネットの肖像画1枚と、ポリニャック公爵夫人の肖像画、そして、彼女の自画像など、まだ実物を見たことがないものがたくさん来ているので、すごく楽しみにしていた。
 今回はルブランの他にも18世紀フランスの女性画家たちの作品が紹介されていたが、やっぱりルブランは一つ、抜きん出ていると思った。ルブランの部屋に入った瞬間、空気が違うというか、やわらかいかわいいきれいな絵なのにすごく強い力が出ている感じで。どの作品も保存状態がとてもよくて、透き通るように美しい女性の白い肌、バラ色の頬、やさしい微笑みが、とても鮮やかに迫ってきて、唸ってしまった。今回、初めてみた「ヴォドルイユ伯爵」の肖像なんて、ちょーイケメンでやさしそうで、思わずうっとりでした。ルブランの自画像も、とても愛くるしい。見てみたい人は、国際フォーラムのそばのレンガの洋館、三菱一号館美術館へお出かけを。18世紀の美男美女がたくさんお待ちしてますよ。

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図録(右)とチラシ。図録の表紙はルブランの自画像。(5月8日まで)

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2010年10月11日 (月)

体育の日、芸術の秋……。

 今日は体育の日ですと。昨日じゃなかったんだ……。休み明け13日締め切りの原稿の筋立てを考えながら(しつこい)、つらつら過ごす。夕方には世田谷美術館にでもいってこようかしら。今日が最終日の「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール」のご招待券が手元にあるし……。
(***数時間経過)
 結局、行ってきました世田谷美術館。用賀の駅から徒歩で片道20分弱なので、お散歩にもちょうどよかったし。スイスのヴィンタトゥール美術館が所蔵するヨーロッパ近代&現代美術のコレクション約90点で、すべて日本初公開、ということらしい。ゴッホが複数枚描いた「郵便配達人 ジョセフ・ルーラン」のうち、バックが黄色いタイプが1枚。アンリ・ルソーの「赤ん坊のお祝い!」も来日。ピカソやゴーギャン、レジェ、ユトリロ、クレー、ジャコメッティの彫刻などなど、あ、モネも1枚、ルノワールも数枚あったりして、とにかく19世紀末以降のヨーロッパ美術の流れがよくわかるようなコレクションで、楽しうございました。最終日の夕方でもけっこう人が入っていて、日本人ってアート好きなんだ〜、って、先日の一村展に続き改めて思ってしまいましたです。そういえば、2年前にギャラリストの小山登美夫さんの本を作る際、「世界の年間企画展の最高入場者数を見ると、毎年、日本の美術館が必ずトップ10のうちに4つか5つ入っている。日本人はアートが大好きな国民なんですよ」と、小山さんも言っていたっけ……まさに。

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チケットにも、ルソーとゴッホの作品が。








 そうそう、先日行ってきた「誇り高き デザイン 鍋島」展(@サントリー美術館)も、平日だというのにかなりの入場者数だった。こちらは鍋島藩の窯の草創期から幕末に至るまでの代表的な作品をそろえた展覧会で、タメイキの出るような美しいお皿のオンパレード。壺の文様のお皿とか、二つの円形をずらして重ねたような形の中に、背中を丸めたうさぎと、残りの白い余白部分を細長い三日月に見立てたデザインのお皿など、今見ても斬新なデザインがたくさんあって、改めてそのクリエイティビティの豊かさに舌をまいたのでした。

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ギフトショップで買った、鍋島焼きのお皿の形の絵はがき......写真に撮ったら実物(はがき)というよりもまるでお皿そのもののように見えませんか〜

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2010年1月17日 (日)

「ラグジュアリー」という名のファッション展

 東京都現代未美術館に「ラグジュアリー:ファッションの欲望」展を見に行く。今日が最終日で、またまた駆け込み……。「ラグジュアリー(=贅沢)な服」が意味するものは、視覚的に豪華な服であったり、身につけたときに特別な感覚、先進的な満足を得られる服であったり。豊かさの現れとしての「ラグジュアリー」に対する考え方の変遷を、各時代の服とともに考えてみるという企画。 
 最初のスペースは「着飾ることは自分の力を示すこと」と「削ぎ落とすことは飾ること」をテーマに、16世紀末のエリザベス1世時代のボディス(胴着)から近代までの服が並ぶ。18世紀、マリー・アントワネットが生きた時代のロココ調の豪華なドレスの緻密な刺繍や金糸銀糸をふんだんに使った装飾は、言葉を失うほどのきらびやかさ。玉虫厨子(たまむしのずし)さながらに、玉虫のあの光り輝く緑の羽をびっしりと刺繍に用いたインド製のドレスは2点で5000匹もの玉虫が使用されているという……毛皮だけでなく、美しいものはなんでも使いたいという人間の欲望も見てとれる。20世紀になると、シャネルやヴィオネのシンプルで機能的な美しいドレスをはじめ、リキテンシュタインのイラストを取り入れたドレスや、モンドリアンのアートをドレスにしたサンローランの作品も登場。つい最近のものでは、ファーとタータンチェックを組み合わせたルイ・ヴィトン(マーク・ジェイコブス)のコートもあった。
 次の「ひとつだけの服」のスペースには、メゾン・マルタン・マルジェラの手仕事による一点もの。潰した王冠、カットしたレコード盤、タイル、櫛、ひもなどさまざまな素材をたくさんつなぎあわせて作り上げたドレスが制作時間を明記されて並ぶ。王冠のドレスや櫛のドレス、どれも見事に服になっている。50 時間、46時間など、一着の服を手仕事で作り上げていく時間も贅沢さの要素なのだと感じさせられる。最後のスペースは「冒険する精神」として、建築家、妹島和世がデザインする空間にコム・デ・ギャルソンの服が点在する。ここも楽しかった。ときに着用の仕方がわからないほどオリジナリティに溢れた川久保玲の作品は、服もアートであることや、服を着ることのわくわく感を改めて感じさせてくれるし、ファンの一人としては、80年代から現在までのギャルソンの代表作が一堂に会しているのはとても興味深かった。このところの大不況でなんとなく自分でも消費を控えるモードになっていたが、久しぶりに新しい春の服を一枚買いたくなってきたような、そんな気分になって会場を後にしたのでありました。

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パンフより。写真右端が妹島和世による空間デザイン

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2009年7月11日 (土)

ネオテニー、どぜう、そして蕎麦

 最終日が迫っている“ネオテニー・ジャパン 高橋コレクション”を観に、上野の森美術館へ。精神科医で、日本屈指のコンテンポラリー・アートのコレクターである高橋龍太郎さんのコレクションだ。この展覧会の出品作をまとめた写真集は去年、出版されていて、既に目は通しているので内容はわかっていたが、やはり実物の迫力はぜんぜん違う。
 とくに、奈良美智のペインティング「In the Deepest Puddle」「Candy Blue Night 」、山口晃の「當 おばか合戦ーおばか軍本陣圖」、会田誠の「紐育空爆之図」「大山椒魚」、村上隆の「ポリリズム」などは本物を見ることができてよかったー、という感じだった。できやよいも加藤泉もよかった。高橋先生には昨年末にインタビューさせていただいたこともあるが、改めて、本当にこれだけのコレクションを、個人でよくぞ集めたもんだと、その気概というか、すさまじさに圧倒される。日本の現代アートの基礎であり根幹であり、代表作である作品の数々。日本の美術館ではぜったいに見られないラインナップ、というか、本当は美術館がこういう日本の現代アートの代表作を集めておかなくちゃいけないんだろうになあ、という感じだ。

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ネオテニーとは、幼形成熟の意で、動物学や発達生物学で、幼いまま性的に成熟する進化の過程を指すという。それを日本のアートの状況に当てはめて、高橋先生自身が展示テーマとして選んだ言葉だ。


 夕方から友人と会ってお茶する予定だったが、おもわぬ用事が入って時間が押してしまい、実現できず。代わりにというわけでもないが、帰り道、夫と神田の「みますや」で軽く飲み、「まつや」で蕎麦を食べて帰った。「まつや」は閉店間際にも関わらずすごく混んでいて、私たちの隣りの席は台湾か中国からの旅行客の女性二人だった。有名店だから、日本の旅行のガイドブックにも載っているんだろうね。

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どぜうの柳川、ブレブレ失礼。

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2007年5月 2日 (水)

春の展覧会いろいろ

 書けてなかった話その2。先月行ったいくつかの展覧会。

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イラストレーター安藤俊彦さんの絵画展。以前、雑誌の挿絵をお願いしたことがある。お宅の最寄り駅はうちから電車で5分の場所にもかかわらず、なかなかお目にかかれないが。


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水中写真家高砂淳二さんの写真展。高砂さんは私がダイビングと旅の専門誌の仕事をしていた頃、2人で島の取材に行ったこともある古いお友達。今回はオリンパスのカメラで撮った作品を集めたものだったので、なつかしい写真もあった。相変わらずサカナの表情がかわいい。

 最終日になんとかすべり込んだが、会場でひさびさに高砂くんご本人とも会えて、しばし立ち話。写真と同様、ほのぼの系の雰囲気も相変わらずそうだった。売れっ子で忙しいはずなのになぁ。

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犬だけのアート展。ドッグアートエクス。32人のアーティストが絵画やイラストや立体もので犬を表現している。世田谷ものづくり学校で開催されていた。もと同じ編プロに属していたイラストレーターの石橋富士子さんが参加していたので行ってきた。

 富士子とは以前、同じアパートの3階と4階に住んでいて、一緒にニューヨーク旅行もした。館内撮影がNGだったので残念ながら富士子の作品をお見せすることはできないが、いつもの「たんぽ」の手法と貼り絵と絵による、富士子らしい華やかな犬の絵が2点あった。
 仕事がら、イラストレーターや写真家の知り合いが多くて、個展などのご案内をちょくちょくいただくわけだが、私は時間が許す限りできるだけ足を運ぶようにしている。作品展とか個展というのは、自分と同じくフリーで仕事をしている彼らの活動の披露の場であるわけだし、忙しくてしばらくごぶさたしていても、ああ最近はこんなのを描いてるんだなとか、こんなところに行って撮ってきたんだなとか、ああ、がんばってるんだな〜とか、いろんなことを考えながら鑑賞して、彼らの近況を知ったり、いい刺激をもらったりする。それってある意味、落語を聞きにいったり観劇するのと同じで、エンターテインメントに触れるってことなんだよな〜と思う。なかにはバタバタしている時期で結局行けなかったというものもあるんだけど、基本は「行く」なので、関係者の皆さんには懲りずにご案内いただけると嬉しいです。
*今日は表参道での打ち合わせののち、デザイナーとの打ち合わせで六本木へ。表参道から地下鉄で隣りの乃木坂へ行って歩くことにして、乃木坂駅で降りて、はっと後悔した。乃木坂から六本木までは東京ミッドタウンの前を通らなくちゃいけないのだ......後の祭り。案の定すごい人だかりでまっすぐ歩けなかった。今日はまだ連休の谷間なのに。

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2007年3月10日 (土)

邂逅

 昨日は歌舞伎鑑賞の後、次の予定までちょっとあいたので銀座へ。ちょうど見たい展覧会が2つあったので。一つは銀座松屋で開催されている「演劇のポスター展」。K2の長友啓典さんと黒田征太郎さんが長年デザインを手がけている演劇のポスターが展示されている。80年代〜90年代に街角で見かけたポスターもいくつかあってなつかしかった。ポスターでも意外と覚えているものである。やはりイラストやデザインの力なんだろうな。
 もう一つは、銀座桜ショップで昨日から始まった「初めて見るジョージ ナカシマ」展。日系二世の家具デザイナー、ジョージ・ナカシマが残したデザイン図面の中からこれまで日本では作られていないものを中心に製作された家具が数展、展示されている。アフリカ産の木を使った奥行き2m以上ありそうな大きな一枚板のダイニングテーブルなど、木の声を聞いて製作するナカシマならではの世界を久々に鑑賞。
 会場で思いがけず、桜製作所会長の永見眞一さんと、息子さんの宏介さんに再会。桜製作所は世界で唯一、ナカシマのライセンス家具を製作している工房で、お二人にお会いするのは2年前に「pen」のナカシマ特集の取材で高松の桜製作所へ行ったとき以来だった。80歳を過ぎた会長さんは相変わらず、というかますますお元気そうで、以前と変わらぬにこにこした笑顔で新作の説明をしてくださった(ほんとに会長の笑顔は魅力的で、見ているこちらまでほっこりとあたたかい気持ちになる)。ナカシマの家具と家具作りを愛する会長の福々しい笑顔にお会いできたことは、思いがけない素敵なプレゼントをもらったみたいに嬉しい出来事だった。どうぞ、いつまでもそのままお元気でいてください。

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80年代の「椿説・丹下左膳」のポスター(ポストカードより)

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