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2020年5月18日 (月)

ブックカバーチャレンジの補足その3

 フェイスブックでやってみたブックカバーチャレンジ。本編は表紙写真をアップして本の詳しい説明は必要なし、というものだったので、ここではそれぞれちょこっと補足してご紹介することに。……という感じでやっていたら、Instagramでもこのブックカバーの振り返りというか再投稿(repost)みたいなことをやることになった(なりゆきで)。とはいえ、そちらでもあまり多くの説明はしないので、ここで書くことが一番長くなります。
 3冊目に選んだのは、『水滴』(目取真俊)。
 作家は沖縄に生まれ育ち、地元の自然や風土、歴史に根ざした小説を書いている。この文庫に収められた表題作『水滴』と『風音』には、先の戦争で壕の中に置き去りにされた兵士たちや、海に散った若い特攻隊員のエピソードが登場し、沖縄の人に“取り付いて離れない灰汁のような戦争の記憶”が生々しく描かれている。短編だけれど、どちらも中身が濃くて読み応えがある。
 沖縄に初めて行ったのは20代の頃、海と島をめぐる旅雑誌の取材のためだった。美しい海の自然やおおらかで優しい島の人たちに魅了されて、その後は仕事でもプライベートでも足を運ぶ機会が増えた。食べ物、手仕事、音楽、人々……訪れるたびに興味が増幅されて、戦争の話もいろいろと聞いた。海の仕事を離れても“沖縄熱”みたいなものは冷めることなく、そのうちに現地に友達と呼べる人も何人かできて、ここ数年は専ら、焼き物の窯を訪ねる目的で行くことが多くなった。
 この文庫本は目取真さんの本として一番最初に買ったものだった。照りつける強烈な太陽の光や、鬱蒼と茂る植物のむせかえるような匂い、堂々としたガジュマルの木。そんな親しみのある沖縄の風景描写の中に現れる、戦争で犠牲になった人の魂。フィクションだけど、本当にあっても驚かないだろうなと思うような話。生命力にあふれた自然や人々の営みと、戦争による無数の死の記憶。戦後70年以上が経っても、どちらも沖縄に共存しているものなのだろうと思う。

 ブックカバーはお友達でもある沖縄のアパレルブランド「YOKNAG」の首里城の柄のストールと一緒に撮影。その売り上げの10%は首里城再建のための寄付になるそうだ。昨年の首里城の火災は私にとっても大きなショックだった。年末に首里を訪れた時に、焼け残ったお城の一部に挨拶してきた。戦争で焼失しても見事に再建された首里城。きっとまた立ち上がってくれることを信じて。ガンバレ首里城。ガンバレ沖縄。

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