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2019年4月 9日 (火)

お疲れさまを、彼女にも。

 長年、見慣れていた景色が変わるのはなんとなく居心地が悪いというか、ぽかんとしてしまうものだ。たとえば、ウィンドウ越しにいつも美味しそうなパンが賑やかに並んでいた青山アンデルセンのビルが、閉店になってしまったためにその後、空きビルみたいになっている状況は、前を通るたびになんとなくの寂しさを感じるし、「サンデーモーニング」のコメンテーターの一番奥の席にいつもいた岸井さんのお姿が見られなくなったときは、やっぱり目が慣れるまで「ん?」と思ってしまった。
 通い始めて3334年になる渋谷のバーに22年間お勤めしていたヨコちゃんが先月末で退職されると聞いて、ラストデーに店に行ってきた。そこで、カウンターの中でいつものようにレコードをかけたりグラスを洗ったりして仕事をしている彼女の姿を見ながら、来週からもうあそこにはいないのか……と思うと、やっぱりぽかんとしてしまう自分がいた。なんだかんだいって、やっぱり22年は長い。30代から50代だ。ヨコちゃんはもっとずっと若いけど。でももし彼女が二十歳でお店に入ったのだとしたら今は42歳になっているわけで、そうすると人生の約半分をあの店で過ごしていたことになり、だとしたらまだまだこれからさらに長い人生の別のステージもあるわけだから、と勝手に考えてみたりして(辞める理由は特に聞いていないが、ネガティブな理由ではなさそうなので)。
 そして、そのようなことをいろいろと考えながらラフロイグのソーダ割りを飲んでいたところに、ふと気がつくとボブ・ウェルチの「Sentimental lady」が流れてきて……これは私が30代の頃にちょくちょくリクエストしていた曲……ヨコちゃんの顔を見ると、「マキノさんはこれですよね……」的なことを言ってくれて。覚えていてくれて、かけてくれたんだぁと、ふわっと感激。思えば、仕事帰りにいつも立ち寄って、酔って醜態さらして迷惑をかけるようなことはなかったけれど、長い間、いろいろと本当にお世話になりました。今頃は、朝、目が覚めて、あ、今日はお店に行かなくていいんだ……とか思ったりしている日々なんだろうか。とにかく、しばらくのんびりしてね。お疲れさまでした。

 

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