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2016年12月27日 (火)

感劇話その249 12月文楽公演はとことん忠臣蔵だった。

 年が変わらないうちに12月文楽公演のことを記しておかなければ。
 12月の文楽といえば例年は鑑賞教室が開催されるのだが、今年は国立劇場開場五十周年ということで、討ち入りのあった時期に合わせて『仮名手本忠臣蔵』を第一部、第二部に分けて、通しで。全11段を通しでやるのは珍しく、私も全段を見るのは初めてだった(1日で一気に、は10時間以上になるので、二日に分けましたが……)。
 第一部のハイライトはやはり塩谷判官切腹から城引き渡しの段へと続いていく部分だろう。和生さんの判官切腹のシーンは何度見ても見応え十分。水を打ったように静かになる会場。さすがだった。由良助が駆けつけてきたあたりで、もう涙と鼻水で鼻の周りがぐちゃぐちゃに。
 斧定九郎は落語の『中村仲蔵』を聞いて以来、密かに思い入れのあるキャラクターなんだけれど、文楽では意外にあっさりと描かれているからちょっと肩透かしな気分になってしまいがち……なのだが、もともと役どころとしては登場時間ともにそういう存在なのかもしれない。何しろ、全段通しは長丁場。
 第二部では、おかるの兄の寺岡平右衛門の存在が出てくることで、これまで見たものよりも話の流れがよくわかるのだった。心なしか、一力茶屋の段も山科閑居の段も、これまでよりもたっぷり詳しく上演されているような気分になったんだけど、これは気のせいだろうか。そして、これも初めて見た天河屋の段と、花水橋引揚の段。天河屋義平や、前半以来久々に出てくる桃井若狭之助らが俠気を見せ、彼らのような義士の周囲の人たちの行動が丁寧に描かれることで、物語に深みや面白さが増している気がした。やっぱり、端折らずにちゃんと見せる(見る)、って大事なんだよなあと改めて思った次第なのでありました。

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