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2015年4月 8日 (水)

感劇話その224 文楽二月公演( 2月14日〜3月2日)

感劇は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。)

  今週は1月〜3月のカンゲキを振り返っております。2月には文楽東京公演もありました。2月の文楽は3部制で、今回は第一部が『二人禿』と『源平布引滝』、第二部『花競四季寿(はなくらべしきのことぶき)』、『天網島時雨炬燵(てんのあみじましぐれのこたつ)』、そして第三部が『国性爺合戦』という、今思い出しても内容みっちりな感じのラインナップだった。なかでも印象に残ったのはやはり初めて観た『国性爺合戦』。作者は近松門左衛門。主人公は江戸時代の実在の人物で、中国人の父と日本人の母をもつ鄭成功がモデル(お話の中の名前は“和藤内”)。よってこの話も日本と中国を舞台にしたスケールの大きなものとなっている。
 とはいえ、そこは文楽、舞台が中国であっても、底辺には日本人らしい義を重んじながら苦悩する人間模様が丹念に描かれている。主君のために幼い我が子を犠牲にするという展開は時代物によくあるが、今回は子供ではなく、娘や母が自ら犠牲となる道を選んでしまう。また犠牲が……と、とてもやるせなくなってしまうんだけど、いってみればこれが文楽の世界の常でもあり……
 『源平布引滝』、母、小まんの腕にすがりつく息子、太郎吉の姿にまた涙……。でも、最後の方の展開は個人的には苦手。そして、『天網島時雨炬燵』の紙屋内の段は東京では35年ぶりの通し上演だそうで。妻が尼になってまで身を引いたにもかかわらず、遊女の小春とともに結局は死を選んでしまうことになる治兵衛……すべてが空しい展開。まあ、妻が身を引いたのをこれ幸いにと切り替えて愛人との生活をスタート、なーんて簡単にできるもんじゃないのが普通だろうけどね。愛と自己犠牲が絡み合ってねじれてしまう、やるせない結末……。このお話、前にも見ているんだけれど、そのときの紙屋内の段は通しではなかったということなのね。

2♪唐服と呼ばれる中国スタイルの衣裳がきらびやかな『国性爺合戦』。

 

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