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2013年5月31日 (金)

感劇話その204 菊五郎、仁左衛門、幸四郎の贅沢なそろい踏み __杮葺落五月大歌舞伎

感劇は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。)

  おととい、カメラマンKさんにお誘いいただいて歌舞伎第一部を観てきた。千秋楽だった。こけら落としも無事に二ヶ月終了したんだなぁ。あっという間です。

 演目は、舞踊『鶴亀』、『寺子屋』(菅原伝授手習鑑)、『三人吉三巴白浪』。人気演目の『寺子屋』は文楽でもしょっちゅう観ているけど、やっぱり人が演じるとそれはそれで生々しい(そんなに悪い意味ではありません)。命を差し出した小太郎のことが語られる場面では、思わずちょっとだけうるり。

 『三人吉三』は、菊五郎、仁左衛門、幸四郎という大歌舞伎ならではの豪華な顔ぶれ。歌舞伎の型(かた)が次々と出てきて、久しぶりに歌舞伎らしい歌舞伎を見せてもらった気がした。やっぱり仁左衛門ステキ。そして夕方からは成城学園前駅近くで取材。終了後、ご飯食べながら次回の打ち合わせ……と、長い1日だった。そのせいでもないとは思うが、昨日は朝からまた風邪(アレルギー性鼻炎)がぶり返し……最近、ちょっとした気候の変化やなにかで体調を崩しがちだ。東北旅の疲れなのか、はたまたやっぱり歳のせいなのか……やれやれ。

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いいお天気で、無事に5月大歌舞伎も終了。

 

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2013年5月27日 (月)

最近のお仕事……、


 今月発行された精神科医の香山リカさんの新刊で、構成を担当させていただいた。NHKラジオ第1で毎週オンエアされている人生相談の番組『香山リカのココロの美容液』を書籍化。リスナーに話しかけていた言葉を読み物としてわかりやすく、おもしろくまとめる……というのは自分の仕事人生でも初めての経験で、楽しみながら苦戦しながら焦りながら書いていた昨年12月〜今年初めの時期を思い出します。20代〜40代の女性から寄せられる身近なお悩みを、仕事、恋愛、家族、対人関係などさまざまな角度からとりあげ、香山さんがその具体的な解決策をご指南するというスタイル。いまの自分にもハッとさせられ、うーんと考えさせられる内容もありました(発行/文藝春秋、1350円です)。売れてくれるといいなぁ♪。

  そして雑誌「和楽」6月号では歌舞伎特集をお手伝い。歌人の馬場あき子さん、コラムニストの中野翠さん、漫画家の柴門ふみさんにお話をうかがい、五月、六月公演の見どころについて三者三様のご意見をまとめさせていただいた。歌舞伎の見方(観方?)も人によってそれぞれで、おもしろい馬場あき子さんの女学生時代(戦中〜戦後)のお話などはとても貴重で、原稿をまとめていて楽しかった。お三方のお話を聞いたおかげで、今月来月の歌舞伎鑑賞もまた一層楽しみに。

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和楽6月号は現在発売中。

 

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2013年5月26日 (日)

感劇話その203 住大夫、元気に復活。お帰りなさい。近松心中ものが2本も__文楽五月公演

感劇は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。)

 今月は東京で文楽公演の月だった。先週は第一部に行ってきた。『一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)』は、先日歌舞伎で観た“熊谷陣屋”と同じ段もあって、吉右衛門が演じた熊谷次郎をお人形さんで観るというのもまた改めて新鮮な楽しみ。次は『曾根崎心中』。相変わらず美しい蓑助さんのお初と勘十郎さんの徳兵衛。お初の着物の下に隠れて縁の下に身を潜める徳兵衛が、お初の足首をつかんで自分の喉笛に当てるようにして心中の覚悟を伝える有名なシーンは、いつ観てもちょっとどきどきする。心中のシーンでは、3月の映写展で見たハイスピードカメラによる「曾根崎心中」(天神森の段)の映像を思い出したりも……。あの映像ではスローモーションで、普段、肉眼ではなかなか捉えることができない人形の微妙な表情(まばたきの加減とか)や動きが映し出されていたので、今回はいつもよりさらに目を凝らして最後の場面を凝視しようとしたのだが、それはやっぱり無理でした……

 そして昨日は第二部に。『寿式三番叟』では、病気を克服して舞台に復帰した住大夫さんの語りに感動(涙)。ちょっとお痩せになっていた気もしたけれど、声はずっしりと力強く、ハリもあった。やっぱり床に住大夫さんがいるのはいいなあと思った。

 続く『心中天網島』は北新地河庄の段からたっぷり上演され、遊女の小春と心中の約束を交わした紙屋治兵衛の小春への執着ぶりを見せつける。でも、何度見てもこの二人の心中には心が動かされない。というか、治兵衛がダメな男すぎて……小春も治兵衛の妻おさんも、いわゆるだめんずなのかなあ……と、にぎにぎさせられる。でも、だからこそ、そんなだめ夫のメンツを守ろうと必死で尽くすおさんの優しさと、男前っぷりというか女っぷりのよさにはいたく感動。理解はできないけど、その健気さというか意志の強さに惹き付けられる。その前段には、おさんから“治兵衛を殺さないで”という手紙をもらったことで、妻に対しての義理で身を引こうとする小春の決意もあるし……女二人がそれぞれ義理を立てるために燃えるなかで、治兵衛の見栄っ張りなところや情けなさが一層強調されるのでありました……曾根崎もそうだけど、こんなお話を次々と書いてしまう近松って、ほんとにすごいわ。

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『曾根崎心中』の縁の下の場面(左)と、『心中天網島』のおさん。

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2013年5月25日 (土)

感劇話その202 息を呑む♡。玉三郎と菊之助の二人道成寺__杮葺落五月大歌舞伎

感劇は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。)

 考えてみたら今月は観劇がけっこう続いていて、先週は歌舞伎座にも行った。新生歌舞伎座開場の熱気はまだまだ今月も続いているようだ。

 第三部。玉三郎と菊之助の『京鹿子娘二人道成寺』。前から一度観たかった演目。玉三郎さんの美しさはいうまでもないが、菊之助さんが想像以上の美しさだったのに改めてびっくり。二人の息の合った舞は、久しぶりに息を呑む美しさというものを実感させてくれた。次々と替わる衣装の艶やかさにも惹き付けられながら、はぁ〜っ、ほぉ〜っと、ずっと舞台に釘付け状態。もっともっと観ていたいような、華やかな舞台を観る高揚感、というものをたっぷり味わった感じ。

 その前の演目は、『梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)』。名刀の切れ味を確かめるために囚人を試し切りする話なんだけど、吉右衛門演じる平三の表情の変化を観ているとおもしろい。そして、囚人・呑助役の十郎さんの、酒づくしの台詞に大笑いするというユーモアたっぷりな場面も。

 二人道成寺では、途中、役者さんたちが客席に向かっていっせいに手ぬぐいを投げるのだが、残念ながら私はキャッチできず……2つ左隣の席の女性は見事にキャッチされておりました。

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息もぴったりの二人道成寺。


 

 

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2013年5月24日 (金)

感劇話その201 男嫌い??__舞台『男嫌い』@ル テアトル銀座 

感劇は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。)

  このところ、楽しいこと忙しいこと、風邪ひいたりとかいろいろで、ゆっくりブログの更新ができないまま、また数日……。今月の感劇をこの週末のうちにアップしておく。

 先週はお芝居と文楽一部を見てきた。お芝居は、コマ・スタジアムのKさんにご招待いただき、沢口靖子主演の舞台『男嫌い』を。原作の鈴木聡さんは花緑さんの新作落語などを手がけたりもしている脚本家さんで、以前から作品には馴染みがあり、こういう人情味溢れるコメディーはお手のものだと思う。沢口靖子、陣内孝則、木の実ナナなど、わたしにとってはほとんどテレビドラマでしか見たことがない役者さんたちが舞台狭しと動き回る。なんか新鮮。陣内孝則のキャラクターがちょくちょく笑いをとる中心的役割だった。沢口靖子は男嫌いというキャラクター設定なんだけれども、じつは……と、変化していくところが体当たり的な感じだ。

 劇中劇のような形で大衆演劇のショーも楽しめるんだけど、ここでびっくりしたのが、松井誠はじめ大衆演劇のスターの方々の女形の美しさ。歌舞伎のそれとはまたひと味違った妖艶美とでもいうのか……着物の着方にしても、胸元と背中をぐいっと大きく開けて、そこから真っ白な肌が露出して……とにかく色っぽかった〜。その中には十代の役者さんもいて、第二第三の早乙女太一が続々と登場していくのかしら〜と、その世界の層の厚さみたいなものも感じたりしました。

 

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2013年5月19日 (日)

“雑草”について……

 一昨日から風邪をひき......昨日がけっこうピークだったけれど、薬を飲んで今日はだいぶ緩和されてきた。この冬はぜんぜん風邪などひかずに乗り切ったのに……先週、小旅行に行ってきたのだが、その疲れなんかもあったのだろうか……ま、回復してきてよかったけど。

 やっと名実共にあったかい日が続き、ベランダでもハイビスカスやミニ蘭がちょこちょこ花開いたりしているのだが、そんな中でかなり注目しているのが、いただきものの胡蝶蘭が枯れてベランダに1年くらい放置していた鉢に、いつの間にか自力で茂って花を咲かせていた雑草……。葉っぱが出てもぜんぜん水などあげてなかったのに雨水だけで勝手に育ち、花まで咲かせ……。健気な姿にぐっときてついに水やりを始めてしまっている。鳥が運んだのか風に乗ってきたのか、たぶんどこからかやってきた種なんだろうけど……すごいもんだ。その話をしたら、センパイから「雑草という草はないんですよ」という昭和天皇のお言葉を聞き、はっとする。そして、「オニタビラコ」という名前に辿りついた。オニは大きいという意味であり、タビラコという草はホトケノザともいって、春の七草の一つであることもわかった……。おもしろくなって、その後、外出すると植え込みや石垣や塀に生えている草になにかと目がいくようになっている。

 そして昨日はスポーツニュースで大リーグの上原投手が話題に上がり、昔から彼が“雑草魂”を座右の銘として唱えていることを、久々に思い出した……たしかに一時期よく聞いた、雑草魂という言葉……上原もがんばってきて、いまもがんばっているんだよなあ……。なぜかいまは”雑草”がマイブーム?

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我が家のオニタビラコ(左)と、東大のキャンパスでみつけたムラサキツユクサかな?

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2013年5月 7日 (火)

手紙

 お礼状を書いていたら、夫が「便箋分けて」というので(ある人に結婚お祝いを送るのに一緒に手紙をつけたいらしく)、改めて便箋・封筒・はがきを入れている箱をチェックしたら、まあ、出てくる出てくる。使っていない便箋や絵葉書。考えてみたら、自筆で手紙を書くことがとんとなくなってきたにもかかわらず、文房具屋さんや旅先で、すてきな便箋や絵葉書をみつけると買ってきてしまうので、どんどんたまっている……という状態なのだった。取材や旅行で地方や海外に行ったときにたまたま訪れた美術館のショップで買ったり、展覧会のショップで出会った一筆箋や絵葉書もたーくさん。

 眺めているうちに火がついてしまって、あまりに古いものは捨てよう、と思って整理を始めたら、ああ、これはニューヨークで、ああこれはと、しばし思い出タイム……でも、けっこういいものがたくさんあるから使わなきゃなーと、これからはもっと手書きの手紙やハガキを出そうと思った次第。というわけで、このブログを見てくださっている人は大半私の知りあいだと思うので、そのうちにいきなりハガキや手紙が届く、かもしれませんが、びっくりしないでね。

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2013年5月 6日 (月)

感劇話その200 先月の舞台から『今ひとたびの修羅』……。


感劇は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。)

 先月観て書き忘れていた舞台。小説『人生劇場』(尾崎士郎)の原作をいのうえひでのりが演出。舞台は昭和初期の東京・深川。渡世人の飛車角こと小山角太郎と、その女房おとよ。そこに伝説の侠客の血を引く男・吉良常や、社会主義者で作家志望の若者・瓢吉など、さまざまな人間模様が交差する。

 堤真一と宮沢りえちゃんのコンビは45年前に観た『人形の家』以来だったけど、いいですね。義理と人情の世界は今の時代ではなかなか理解され辛いものなのかもしれないけれど、男と女のどうしようもない、ままならない情愛とかは、いつの世も同じなんだろうなあとつくづく思った次第で……。ちょっとほどけた、着崩すような感じで着物を着る宮沢りえの色っぽさ。肉感的ではないのに、なんか色っぽくなったりえちゃん。花吹雪のような雪の中を奥へ奥へと去って行くシーンはとても美しかった(新国立劇場(中劇場)の舞台はかなり奥行きがある)。堤真一の着流し姿も男の色気全開。風間杜夫、浅野和之、岡本健一、鈴木浩介、小池栄子、小出恵介、村川絵梨など、周囲を固める方々もガッチリでした♪♪

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ぐっとくるこの写真もかなり話題に(撮影は友人でもある写真家・加藤孝さん)。


 

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2013年5月 5日 (日)

感劇話その199 人間国宝の競演。能『羽衣』と狂言『木六駄』(川崎・しんゆり芸術祭) 

感劇は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。)

  3日の日、新百合ケ丘へ。4月下旬から開催されている“川崎しんゆり芸術祭”の企画の一つである能・狂言特別公演「人間国宝の競演〜友枝昭世と山本東次郎」を鑑賞してきた。3月に取材で歌人の馬場あき子先生にお会いした際、先生が解説を担当されているこの公演をご紹介いただいたのだ。 

 お能の友枝昭世さん、狂言の山本東次郎さんともに人間国宝という贅沢な競演。私はお二方とも初めて拝見させていただいた。『木六駄』は、数頭の牛を引いて主人の伯父に薪や炭やできたてのお酒を届けに行く太郎冠者のお話で、東次郎さんが太郎冠者。おおらかで洒脱というか、楽しくてぐいぐい引き込まれてしまった。とくに、酒をぐいぐいとのみほすところが最高。『羽衣』の天女の友枝さんは美しかった。お能は(申し訳ないけど)うとうとしてしまうことがけっこう多いのだが、今回は眠気に教われることもなかった。

 舞台とその後の東次郎さんのお話で、山本家の『木六駄』はの他のお家と話が少し違うということを初めて知った。つまり、萬斎さんや茂山家の『木六駄』とは、途中からちょっと展開が違ってくるのだ。同じ話でも家によって展開が違うというのは、その家なりの見せ方や、思い入れのある部分などが感じられるようで興味深いと思った。馬場先生の解説も歯切れよく、わかりやすく、とても楽しませていただきました。

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お能や狂言の装束は自前だそうで......それもびっくり。

 

 

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