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2012年10月23日 (火)

感劇話その188 ついに本家本元を鑑賞__ミュージカル「ロミオとジュリエット」  

(“感劇”は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。)

  先週、渋谷ヒカリエのシアターオーブに初見参。フランス版ミュージカル「ロミオとジュリエット」を見てきた。フランス人ジェラール・プレスギュルヴィックがミュージカル化し、これまでに全世界で500万人以上を動員したというメガヒット・ミュージカル「ロミオとジュリエット」。私はこの作品を、演出家小池修一郎が潤色・演出した日本オリジナル版で4回観ている。宝塚歌劇で2回(2011年雪組、2012年月組)、そして、城田優、山崎育三郎、昆夏美らが出演した作品を2回(2011年)。宝塚バージョンは去年と今年では衣装も違うし、演出も微妙に違えている。宝塚でないバージョンは、さらに演出や衣装が違う。

 こうして振り返ってみると、約2年間で4回も観ているロミジュリ……そうして今回は、満を持して本家本元を拝見。5回目の観劇となったわけで。どうしてこんなに観ているのかというと、とにかく曲が素晴らしくて、とても魅力的なミュージカルになっているから。そして日本版は、小池修一郎の演出がこれまた素晴らしいから、ということに尽きる。本当の愛に出会うことを夢見るロミオとジュリエット、一目で恋に落ちた二人の喜び、苦悩、愛に目覚めたジュリエットを優しく見守る乳母……などなど、全編にわたり、登場人物それぞれの心境が美しい曲になって綴られ、心に残る名曲もたくさん。そして、斬新な演出。特に城田版は、感動してもう一度観たくなり、東京公演の後、急きょ大阪公演の千秋楽を見に行ってしまったほど。私のなかでは、文楽を除いた昨年の観劇の中でナンバー1に輝く舞台であった。

 褒めちぎっていたらきりがないんだけど、とにかくそのオリジナル版というか、本家がついに日本にやってきたということで、拝んできたというわけである。さすがにどの役者も歌の上手さが素晴らしい。なかでも、ジュリエットのかわいらしさ、ジュリエットの母(ちょっとセリーヌ・ディオンに似ている感じだったにゃ……)やロレンス神父などが印象に残った。そして、“死”を演じた女性ダンサーの妖しさ・怖さにぞくぞく……。正直いうと、演出の一部や、日本版の曲の歌詞に関して、改めて小池修一郎の凄さを痛感した部分もあったのだが、でもでも、やっぱりフランス版、じっくり堪能させてもらいました。初めて聞く曲もあったし。そして、カーテンコールが楽しかった。海外ミュージカルを観たのは初めてだったのだが、拍手喝采の中で挨拶をするだけじゃなくて、役者がみんなで次々と劇中歌を歌い、さらに客席を盛り上げるんだよね。これはきっとヨーロッパのミュージカルでは普通のことなんだろうな……と思いました。そしてなんと、観劇の翌日に来年の日本版の再演決定を知った……きっと観に行くのかな……ロミジュリの話題はまだまだ、to be continue……てことかしら。

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フランス版のポスター(左)と、日本版(2011年)のプログラムより

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2012年10月22日 (月)

感劇話その187 深まる秋に志の輔聞けて嬉しいな♪♪__志の輔らくご in ACT

(“感劇”は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。)

  今夜は赤坂ACTシアターに志の輔の落語会に行ってきた。今日の噺は「中村仲蔵」。実在の歌舞伎役者を題材にしたもので、私も大好きな噺の一つ。この噺には文楽や歌舞伎でおなじみの演目「仮名手本忠臣蔵」が不可欠なので、志の輔はまず「仮名手本忠臣蔵」のストーリーを、iPadを駆使した映像で解説(このあたりがACT流?)。以前、本田劇場で表を使って「牡丹灯籠」の相関図を解説してくれたときのような感じと似たアプローチだ。そして、中入り後に「中村仲蔵」をじっくりと聞かせた。落語はもちろん、今回もよかったわ〜。仲蔵の演技に文字通り息を呑んだ江戸っ子たちの、あわあわしながらの賞賛ぶりが、ほんとに目に見えるようで……聞いていて気持ちがいい。

 おまけとして。最初に「仮名手本忠臣蔵」の解説を始める前、志の輔はまず「仮名手本忠臣蔵」はそもそも人形浄瑠璃(=文楽)の演目として作られたもので、その後、歌舞伎でも演じられるようになったという話をして、文楽という芸能の魅力について語った(実際、志の輔は文楽とのコラボもやっているしね……)。続いて昨今の橋下市長vs文楽についての話題に言及。「曾根崎心中」を見た市長が、あんまりおもしろくなかった、と言ってたことにふれながら、「私も初めて文楽を見たときは、なんだかよくわからなかった。でも、見ていくうちに不思議と人形遣いの人の姿が消えていくんですよね……」みたいな話をあれこれして、一度や二度見て、つまらなかったからといってなくしてよい伝統芸能などない、と志の輔流に笑いを交えながら話し、やんわりチクリとやってくれた(と感じた)。本編の落語に入る前に、私はまずここでぐっときてしまったのでした(涙)。 

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2012年10月14日 (日)

日本とヨーロッパ、音楽のつながり……。

 先週末、サントリーホールの小ホールで「音楽のある展覧会__ウィーンに残る、日本とヨーロッパ450年の足跡」を見に行ってきた。ウィーンの楽友協会の収蔵品の中から、ブラームス直筆の鉛筆の書き込みがある『日本民謡』という楽譜をはじめ、ディットリッヒが編纂した『日本民謡集』など、日本の音楽に関連する貴重な資料約140点が展示されていた。幕末〜明治時代に描かれた、日本と西洋音楽の関わりをさまざまに描いた浮世絵はどれも色鮮やかで、見応えのあるものばかりだった。

 あわせて行われたミニコンサートでは、オーストリアの作曲家ゴットフリート・フォン・アイネムが日本の和歌の言葉に曲をつけたものや、山田耕筰の5つの日本の愛の歌」などが、ソプラノ歌手とピアノ伴奏によって披露された。山田耕筰は「赤とんぼ」や「からたちの花」などで知られる作曲家で、明治以後の日本における西洋音楽普及の立役者、ですね。さらに、楽友協会アルヒーフ室長のオットー・ビーバさんによるミニ講演もあり、そこでは、明治維新直後にウィーンから初めて日本を訪れた使節団が、明治天皇の前で初めてピアノ演奏を披露したときのエピソード(「初めての御前ピアノ演奏」)が語られたりと、なかなかに盛りだくさんで、中身の濃い内容だった。明治の初期、ヨーロッパの人たちは日本の音楽についてどんなふうに感じていたのか、とか、ブラームスが日本の曲に興味をもっていたことなど、私には初めて知ることばかりで、とってもおもしろかった。今さらだけど、まだまだ世の中には、知らないことがた〜くさんあるんだな〜と、痛感させられた次第です。

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ミニコンサートと講演(ギャラリートーク)の内容は日替わりでした。


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2012年10月 8日 (月)

30年ぶり……、の続きその1

30年ぶり……、の続き

 

 バタバタしたまま、気づけばもう10......。またまたちょっとごぶさたしてすんません。仕事も忙しかったんだけど、ほかにもいろんなことが日々ありまして......あっという間に今年もあと3ヶ月弱なんて......もうどうしたらいーんでしょ、って感じです。今年の残りはこれまでよりはもうちょっとアップ回数を増やしたいもんだと思っています。

 というわけで、本日は先日の南カリフォルニア取材についての続編のようなもの。今日の東京新聞に、いま欧米で和の道具が見直されているという記事が出ていた。たとえば、創業140年の開化堂(京都)の茶筒とか、400年以上の伝統がある南部鉄器など。南部鉄瓶は欧米仕様?にカラフルに色付けされたものが人気。日本では、重くてなかなか売れなくなっている鉄瓶も、欧米では「鉄は重くて当たり前」と重宝され、茶筒にしても、素材が銅や真ちゅうで、高価なものでも、長く使えて使い込むほどに味わいが出てくるものが売れているのだという。奇しくもどちらも、個人的にいつかは買いたいなあと思っていたものだけど、また実現していない......。記事を読んで、日本のものづくりの技術と伝統に熱い注目を注いで重宝しているのが主に欧米人、という現状は、ちょっと寂しい気もするなあと、正直、思った。でも、この波がまた国内にフィードバックしてくればいいなあと思ってもいる。てことで、写真は偶然にも先日行った南カリフォルニア、ラグナビーチのリゾートホテルの部屋で撮ったもの。ブルーの南部鉄瓶が珍しくて思わず撮ったもので、ホテルの人に聞いたら、たしかに「日本の鉄瓶が今、人気なんです」っていっておられたのである。

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