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2012年1月12日 (木)

感劇話その172 かなり今さらですが、昨年五月の文楽公演のこと……

(“感劇”は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。)

 昨日は震災から10ヶ月め……あの日、駅のホームで感じた揺れや音の怖さは今もはっきり覚えているから、被災地の人たちの体験や記憶はほんとにいかばかりなものなんだろうかと思う。1日も早く“復興”が進みますように。
 震災後は自分もいろんなことがありつつ、アンド昨年は春からえらい忙しくなってしまったため、5月の文楽は行くには行ったがカンゲキ話をアップすることもままならなかった。既に9月と12月はアップして、今更ながら5月もないだろ、と思いつつも、自分の記録だから、当時のメモをみながらささっと振り返ってみることに。
 当初の予定通り行われた五月公演。第二部を先に見て1週間後に第一部。一部は竹本源大夫さんと鶴澤藤蔵さんの襲名披露口上を含め、「源平布引滝」、「傾城恋飛脚」などが上演された。「源平……」では、源氏の白旗を託された女房、小まんの奮戦ぶりが印象的。小まんは白旗をつかんだままの腕を切り落とされ、琵琶湖に沈んだその腕はやがて網にかかる。誰が触ってもその指は白旗を握ったまま絶対に開かないが、実の息子の太郎吉が触るとやさしく指が開く。親子の情愛が悲しいかたちで描かれる。
 第二部は、「二人禿」、「絵本太功記」、「生写朝顔話(しょううつしあさばおばなし)」。「絵本太功記」は夕顔棚の段〜尼ヶ崎の段。光秀の母さつきの気丈さとその中にある悲しみが描かれる。小まんといい、このさつきといい、女性の強さとその悲劇を描く話が続くなか、打って変わって「……朝顔話」は一途な女性の恋心を描いたお話。でも、盲目になっても想う人を追い続ける深雪(=朝顔)も、心の強さは負けていない感じです。最後に彼女の恋が成就することがわかってほっとするエンディングで救われました。
 この五月公演は震災後2ヶ月あまりの時期ということもあり、お人形さんが義援金を募っていて、思わず募金したことを思い出す。そんな震災からもうすぐ1年……月日の経つのはほんとに早いです。

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プログラム(左)と、募金の様子

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