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2011年9月25日 (日)

感劇話その165 いろんな涙……充実の9月文楽公演を振り返る。 

(“感劇”は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。) 

 まだまだ慣れないシルバー・ウィークだが、この週末3連休は2連休することができた。おかげさまで、ひたすらうだうだ……。このへんで今月の文楽公演のこと書いておかないと、忘れちゃうのでアップします。
 先々週、先週と9月の文楽公演第一部&第二部を鑑賞。

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第一部の最初は「寿式三番叟」。今回は、国立劇場開場45周年を祝い、さらに東日本大震災からの復興を願う“がんばれニッポン”の願いを込めての上演。

 「寿式三番叟」は祝儀曲で、お祝い事のたびに上演されているが、今回は長いバージョンで、翁に住大夫と蓑助さん、千歳に勘十郎さんという豪華な面々。とても見応えがあった。第一部の2本目は「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」の御殿の段。家臣の子供が若君の身代わりになるという非情な場面が描かれる。自ら若君の代わりに毒入りの菓子を食べて命を落とす我が子の姿を目の前で見ながらじっと耐えなければならない母・政岡の無念さとその後の嘆きを紋寿さんが熱演。敵役の八汐の憎々しさを、蓑助さんがこれまた好演。辛い涙の出る演目。相変わらずちょっと長いけど。
 3本目は「近頃河原の達引(ちかごろかわらのたてひき)」。これは以前、寛治さんと津駒大夫の素浄瑠璃で聞いたことがあったが、人形が登場するバージョンは初めて。妹を想う兄・与次郎の不器用なやさしさが印象的な内容で、勘十郎さんの遣う与次郎もまさにそんな人柄のよさがにじみ出ていた。猿回しのお猿もかわいい。

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第二部は「ひらかな盛衰記」で幕開け。これはけっこうたっぷりで長かった。







 “大津宿屋の段”から“笹引きの段”、の2段はわりとしゃかしゃかと進むが(ここでもまた幼い子が若君の代わりに犠牲になる……ここでは、取り違えという悲劇のために)、クライマックスの“松右衛門内より逆櫓の段”は長くて、松右衛門こと樋口二郎兼光の行動〜最後に捕らえられていくところの展開がちょい複雑で、初めての人にはイヤホンガイドを真剣に聞いていないといまいちわかり辛いような気がした。“笹引きの段”の呂勢大夫は相変わらず艶のある声でよかった。権四郎の玉也さん、松右衛門の玉女さん、腰元お筆の和生さん、熱演。
 最後は歌舞伎十八番の「紅葉狩」を人形浄瑠璃化した演目。鬼女に変わる更科姫を清十郎さんが大熱演。と、駆け足で振り返ってみたけれど、今回はバラエティ豊かで見応えがありました。

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国立劇場45周年ということで、建物の外壁にもこんなふうに三番叟のお人形さんが描かれていた。

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