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2011年8月23日 (火)

感劇話その164 杉本版「曾根崎心中」の新鮮さにカンゲキ♡

(“感劇”は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。) 

 ぎりぎりした怒濤の日々をなんとか切り抜け、今日から半ば強引に夏休みをとって実家に戻っている。大きなイベントが待っている訳でもなく、ひたすらのんびりして、旧友たちと会うくらいだけれど、それが今の私には何よりの“癒し・ほぐし”になるような気がする。今夜はさっそく高校3年生のときのクラスメートたちと飲み会です。と、その前に、先週行った杉本文楽の話をしておかねばと。
 初めての神奈川芸術劇場。震災の影響でいったん中止となっていた杉本文楽がこの夏に復活。改めてチケットをとり、15日(月)に行ってきた。なんといっても、9年ほど前に文楽にはまって以来、いちばん数多く見ているのが「曾根崎心中」だ。玉男・蓑助コンビの美しさに魅かれたのが大きな理由だったけれど、玉男さん亡き後も、やっぱりなにかと見ているし、思い入れのある演目。それをアーティストの杉本博司さんが演出する(詳しくは、構成、演出、舞台美術、映像まで手がける)というので興味津々だった。
 杉本文楽では、これまでの文楽公演では見たことのなかった「観音廻り」が冒頭に付いていた。そこでは、人形(お初)の映像が両サイドのスクリーンに投影される中を、人形が実際に動く(観音様を廻る)という演出がなされ、舞台の奥行き感とともにお初が観音様巡りをする距離の長さみたいなものを感じさせる。太夫と三味線は段ごとに舞台の左右に分かれて登場し、ときにはステージ下の奈落から上がってくることも。人形遣いは出遣いではなく、主遣いも最後まで頭巾を被り、下駄は履かない。もっとも感動的だったのは心中からエンディングに至るシーンだった。なかなか簡単には死ぬことができずに苦しみながら何度も我が身を突き、ついに息絶えていく徳兵衛の姿がとてもリアルで、二人の心中の哀れさ、無情さがすごくにじみ出ていた。人形と3人の人形遣いの動きは不思議な一体感を感じさせて、ときに群舞のようにも見え、最後は2つの人形と6人の人形遣いが折り重なるような感じになって、奈落に消えていく。感動がじわじわと拡大しつつあるところでカーテンコールとなり、全員がステージに登場。奈落からはお初と徳兵衛を遣った蓑助さんと勘十郎さんが登場する。拍手に応える蓑助さん、とても嬉しそうだったのが印象的だった。現代美術家の杉本さんは伝統芸能にも造形が深いと聞いていたが、なるほど〜という感じで、正直、想像していた以上にいい舞台に大満足でした。

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山口晃さんのポスターも素敵♡。

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