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2011年1月14日 (金)

感劇話その157 今年も“感劇”幕開け。初笑いは志の輔らくご!

(“感劇”は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。) 

 骨折して以来、12月は予定していた文楽も落語もすべてキャンセルして他の人に行ってもらったので、ひと月以上ぶりの“カンゲキ”。記念すべき再開第一弾&今年の第一回目が志の輔らくごなんて、今年はなんかいいことありそうな……♪。そうだ、歯茎の治療、骨折と昨年末に痛い思いが続いたので、歩けるようになったら厄落としをしなくちゃと思っていたんだった。どこに行けばいいかしら……。
 それはさておき、今年も志の輔らくごin PARCOは一ヵ月完売御礼のようで、今年はご年配のご夫婦連れがけっこう目についた気がした。エレベーターもロビーも常に人がぎっしりなので、まだリハビリ中の私はスニーカー履きの足で慎重に人混みの中を動き、けっして誰かを追い越したりせずに、移動はゆっくり。でも、久しぶりのカンゲキに心はぴょんぴょん踊っていた。
 1席目は『だくだく』。引っ越し先の長屋の壁に白い紙を貼り、そこに、隣りに住む絵師に頼んで家財道具一式などを描いてもらった男。その晩、その家に近眼で乱視の泥棒が入ってきて……。原作は江戸時代に書かれたもののようだけれど、すごくバーチャルリアリティーな噺だ。以前、別の噺家さんで聞いたことがあるが、どうして『だくだく』というタイトルなのかと思って調べてみたら、もともとの古典落語では、「血がだくだくと出たつもり……」というサゲ(落ち)になっているから、らしい。志の輔の噺はサゲがちょいとまた違っていて、この「血がだくだくと……」は出てこない。
 2席目は『ガラガラ』。これは志の輔の新作。以前にも聞いたことがあるが、商店街の福引きのガラガラに、不手際から1等賞の世界一周旅行が7本も入ってしまい、それに気づいた商店街のスタッフが右往左往するドタバタ話。追いつめられた商店街の会長の“凄み”の増し方は以前にも増して、可笑しさ爆発。こういう町の人々の日常のちょっとした滑稽話をやらせると、志の輔はほんとにうまくてすごくて、もう笑いっぱなしになっちゃう。
 仲入り後は、今年の新作と思われる『大河への道』。伊能忠敬を題材にした大河ドラマの企画をたてる千葉県職員(主任と部下)と、若きシナリオライターの話。主任と部下のやりとりは、名作『歓喜の歌』を思わせる、おとぼけだけどほっこり系という感じ。志の輔は以前、千葉県の伊能忠敬記念館で見た伊能による日本地図の正確さに感動し、今年、長崎を訪れた際にもシーボルト記念館にある伊能の地図を見に行くなど、伊能忠敬という人に長年強い興味をもっているようだった。シーボルト記念館での話は、去年の落語会でもマクラで聞いていた内容だったが、そこからこんな新作につながっていたとは……。志の輔の探究心、創作力、改めてすごいなあと感激してしまう。サゲはちょっと洒落ていて、落語の後にバックスクリーンに映し出される伊能の地図と現在の日本地図が重なるシーンでは、思わずジーンとしてしまった。今年は落語以外の試みは映像中心で、文字がイラストになっていくスタイルは、ほっこり、かわいかった。

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今年もぴょんぴょん跳ねて、冴えてます。

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