« 菊を食す。 | トップページ | 小さなお店の大きなシアワセ……、 »

2010年11月13日 (土)

感劇話その155 ずっと肩に力が入りっぱなし。迫力の舞台『K2』@世田谷パブリックシアター

(“感劇”は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。) 

 木曜日に行ってきた舞台『K2』のお話。堤真一と草彅剛の二人芝居だ。『K2』はアメリカ生まれの戯曲。世界第2の高峰K2登頂に成功したものの、下山途中に遭難し、身動きとれなくなってしまった男二人。その極限状態で起こる心理ドラマを描いたお話だ。ブロードウェイで絶賛され、日本でも80年代から数回上演されている。草彅つよぽんは以前の『瞼の母』で、予想外に役者魂を発揮しているのを見て以来、また舞台を観たいなと思っていたし、堤真一との二人芝居と聞いて、がぜん興味を募らせていたのでありました。
 幕があくと、いきなり目の前に巨大な氷壁が現れる。舞台は地上8100メートル付近の岩棚。それも、人間二人がくっついて座って余裕があとちょっとしかないくらいの狭ーいスペース。この舞台装置だけでも、見ているほうとしては思わず肩に力が入る。そんな場所で、身動きとれなくなっている二人。零下40度、寝袋もテントもないところで奇跡的に一夜を無事に明かしたけれど、一人は足を骨折している。そしてザイルは1本しかない……。内容が内容だけに、最初の緊張感というか、肩にずーっと力が入った感じが最後まで、途切れないまま続く。終わって拍手をしていても、しばらく心の中に冷たく重たい石がずっと残っているような、なんともシリアスな人間ドラマだった。
 つよぽんがザイルを使って氷壁を上り降りするシーンは、舞台とはいえ、けっこうはらはらするし。あんな極限状態で、理性を失わず物事を判断することができるのか。“受け入れる”とはどういうことなのか。重たいテーマです。状況設定といい、心理描写といい、あんな緊迫した世界を舞台で描くというのは、かなり難しいんだろうと思うけど、それをやり切っているのもすごいなあと思った。荒ぶる「動」のテイラー(つよぽん)と、怪我を負ってずっと座ったままの「静」のハロルド(堤真一……静なんだけど、心の底に持つエネルギーの迫力、大きさみたいなものがすごくよく出ていた)、この二人の男の魂のぶつかり合いも、見応えありでした。

201011141310000

チラシですみません......。

« 菊を食す。 | トップページ | 小さなお店の大きなシアワセ……、 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 感劇話その155 ずっと肩に力が入りっぱなし。迫力の舞台『K2』@世田谷パブリックシアター:

« 菊を食す。 | トップページ | 小さなお店の大きなシアワセ……、 »