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2010年11月 8日 (月)

感劇話その153 始まったとたんに不覚にも涙……の『しじみ売り』は新版です。志の輔のにぎわい_11月6日@にぎわい座

(“感劇”は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。) 

 土曜日に行ってきた志の輔のにぎわい座。数ヶ月ぶりだった。開口一番は立川志の太郎の『つる』。鶴がつーーっと鳴いてきて気に停まり……、というやつだ。続いて、志の輔の1席目は『王子の狐』。狐が若い女に化けたところを目撃した男が、逆に狐を騙そうとして、その女(狐)を料亭に連れて行くお噺。マクラは奇しくも最近テレビのロケで訪れたという東京の王子稲荷神社とその近辺の話だった。ちょうど王子を訪れた後だったから『王子の狐』にしたのだろうね、たぶん。『王子の狐』は、まさに王子稲荷や料亭の「扇屋」が出てくる噺だし。
 「扇屋」といえば卵焼きが有名な料亭で、90年代に卵焼きの取材で行ったことがある。江戸時代、それも家光の時代の1648年の創業という超老舗で、私が取材した頃にはまだ料亭だった記憶があるのだか、なんと今は料亭はたたまれ、卵焼き屋さんとなって卵焼きのみ販売されているらしい。ぜんぜん知らなかった……木造と瓦屋根ですごく風情のあった料亭の建物も、今はないようだ。これも時代の流れなのね……。扇屋名物の卵焼きは折りにぴっちりと入っていて、焼き印がしっかりついていて、分厚くて、噛むと甘い出汁がじゅわーっと口の中の広がる、なつかし〜いおいしさだった。
 仲入り後のゲストにテツandトモが登場。生ジャージ、生「なんでだろう♪」を初体験。一頃テレビに出まくっていた芸人さんが、こうして寄席などの舞台に出てくると、よく「落ちぶれた感じでなんかかわいそう」という人がいるけど(実際、このときも連れがそういっていた)、芸人さんの本来の活躍の場は寄席というかこういうライブの舞台なんだし、こういうところのお客さんを大事にして活動していった方が、きっと息長く活躍できていいと私は思う(そういうあんたは何様だよって、感じだよね、すみません。ま、ギャラのこととかわからないから無責任なことはいえんけど……1人の客としての意見です)。実際、テツとトモの二人は歌もうまいし、会場を沸かせるコントもいっぱいで、すごく楽しかった。
 志の輔の2席目は『しじみ売り』。大好きな話で、しじみ売りの少年が出てきて、あ、『しじみ売り』だとわかった瞬間から不覚にも涙が出てきてしまった私……老化現象もあると思うが、実際、あの少年のけなげないじらしい喋りを聞いているだけで、クライマックスに行く前から鼻をすすっていた人は会場に何人もいた……。『しじみ売り』は病気の家族を助けるためにしじみを売る少年と、鼠小僧次郎吉とのふれあいを描いた噺なんだけど、私は志の輔のこの鼠小僧が大好き。『徂徠豆腐』の荻生徂徠くらい好きだ。何度聞いてもいいなあ、うまいなあと思う。『しじみ売り』は古典落語だが、志の輔はクライマックスの筋立てを少し自分流に変えていて、そこがまたじんわりと、いい人情話になっている。
 という土曜のお昼の落語会。いい気分になって帰りは桜木町からみなとみらいまでぷらぷら散歩。ところが、みなとみらい地区には昨日から始まったAPECのために全国から集められたおまわりさんたちが至る所にいて、ものすごく物々しい感じだった。ぷらぷら歩いたりなんかできないくらい、路上にも駅の構内にも10メートルおきくらいにおまわりさんが。でも、中華街への行き方とかを観光客から聞かれて立ち往生しているおまわりさんもいて、なんだかいろいろご苦労さんなことだなあと思ったり。とにかく、横浜方面はしばらく大変そうです。

201011061541000

演目です。テツandトモの芸って、コミカルソングだったんだね。

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