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2010年9月16日 (木)

感劇話その149 月例三三独演@国立演芸場 

(“感劇”は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。) 

 先月は帰省でお休みしたので、2ヵ月ぶりの三三さんの落語会。
 開口一番は不思議な雰囲気の柳家わさびさん登場で、『道具や』。なんか、噺そのものよりもわさびさんのぽわ〜んとした摩訶不思議な雰囲気が、がぜん印象に残っている。三三さんのお弟子さんなのかと思ったが、柳家さん生さんのお弟子さんだそうだ。
 三三さんの1席目は『弥次郎』。旅好きで、旅先での話を誇大表示というか、広げすぎて話す弥次郎の話。まあ、ほら吹きというか大げさというか。なんか途中からお能の『道成寺』の話もからんできたり。でも、ただのほら吹きというよりも、お話が荒唐無稽でありつつすごいオモシロおかしいものになっていて、“そんなことあるわけないやん”と思いつつも話に引き込まれていく。たとえば、冬の北海道では寒さで火事までも氷りつき、凍った火の粉ができる。その凍った火の粉は春になって溶けると火になってしまうので要注意、というような……。弥次郎は作家とか脚本家とかの才能がある人なのかもしれない。
 二席目は『茄子娘』。女性を近づけないはずの僧侶が、ある晩、突然現われた美しい娘と間違いを起こしてしまう。僧侶は戒律を破った我が身を鍛え直すために修業の旅に出て、5年後に寺へ戻って来ると、そこにいたのは小さな娘一人。じつは、僧侶が一夜をともにした娘は茄子(僧侶が畑で丹誠込めて育てていた茄子)の化身で、5年後に対面した女の子はそのときにできた子供であった、という噺。短いお話だけど、こういうちょっとミステリアスなファンタジーというか、世にも奇妙な物語風のお話、私はけっこう好きかも。そして3席目は『三軒長屋』。三三さんお得意の、元気な江戸弁が飛び交う噺。鳶のかしらとその女房、鳶の若い衆、隣りに住むご隠居とそのお妾、その隣りに住む、道場を営む侍。場面がそれぞれの家での会話を行きつ戻りつし、クライマックスでそれがスピードアップしてくるとテンポのいい多元中継みたいになってきて、その語り分け、スピード感など、いつ聞いてもお見事な語りで、何回聞いても楽しめる。今回は、鳶の女房の切れがさらにアップしていたような印象でした。

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たまにはカラーの三三さんを(別のチラシより)

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