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2010年5月 9日 (日)

感劇話その141 勘十郎さんのお三輪がかわいい『妹背山女庭訓』(文楽4月公演)


(“感劇”は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。) 

 4月の文楽大阪公演は大作『妹背山女庭訓』の通し。妹背山といえば、いちばんの見どころ(聞きどころ)は第一部の妹山背山の段だが、今回は、宝塚観劇もある強行ツアーだったので、スケジュールの関係で文楽は第二部のみを鑑賞。
 第二部の見どころは、なんといっても酒屋の娘、お三輪が男を愛するあまりに怒りの権化へと変貌し、その挙句に殺されてしまうところ。
 自分の恋路を邪魔されて辱めを受けた怒りや、男の心変わりに対する怒りに心を燃やすお三輪が何故、刺されなければならなかったのかというと、政敵を討つために、嫉妬に狂った女の生き血が必要だったため……とまあ、以前のブログを読んでくださった方にはおなじみの話になりますが、一人の若い娘の一途な恋心が、政争に勝利するための絶好の武器として使われるという、突飛といえば突飛な、すごいストーリー。
 しかし、作者の近松半二は、この『妹背山……』だけでなく、『奥州安達原』、『本朝廿四孝』、『新版歌祭文』、そして『伊賀越道中双六』と、名作といわれる浄瑠璃を次々と書いている、今でいえばヒットメーカーのすごい浄瑠璃作者なのであります。近松といっても、近松門左衛門だけではないのです。
 今回のお三輪は勘十郎さんが遣っていたが、嫉妬に怒り狂う前までの、年頃の娘らしい初々しさや、かわいらしいしぐさがよく表現されているなあと思った。それゆえ、怒りに燃えるときの雰囲気のギャップが引き立っていたと思います。
 また、今回の公演は、吉田蓑助文化功労者顕彰記念ということで、プログラムにも蓑助さんのインタビュー記事や、『妹背山女庭訓』の人物相関図や地図を交えた詳しい解説など読み物がもりだくさんで、かなり楽しめた。

201005111611000


純朴で可憐な娘、お三輪が......、
(プログラムより)

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