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2010年4月23日 (金)

感劇話その140 たくさん笑って身体もほかほか。立川志の輔独演会@エポックなかはら(4/22)

(“感劇”は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。) 

 昨日は志の輔の落語会へ。開口一番は志の春さんの『六尺棒』。道楽息子と父親との戸口を挟んだ会話のやりとりがおかしい。志の春さんの飄々とした語り口がなかなかよい雰囲気だった。志の輔が登場。相変わらず左手の中指のギブスが痛々しい感じだが、先日の生志さんのときよりもさらにそのギブスにまつわるネタが進化系になってマクラにふんだんに盛り込まれていて、転んでもただじゃ起きない、じゃないけど、さすが噺家さんだなあと思ってしまった。
 ギブス→ベトナム→シンガポールときて日本の政治にちょっとふれながら“話がまとまらない”という意味の話をしたところで、“まとまらない話”をネタにした1席目の『異議なし!』に突入。古いマンションの管理人さんと住人たちが集まって、マンションのエレベーターのセキュリティーに関する話し合いをするが、みんな好き勝手な話をしてなかなかまとまらない……。久しぶりに聞いたが、相変わらずとんちんかんなやりとりが可笑しい。この噺といい、先日の『はんどたおる』とか『買い物ブギ』しかりで、日常の噛み合わない会話、まとまらない会話、みたいなものをネタにした新作落語は志の輔師匠のお得意とするところ(と、私は思っている)。人間観察というのか、ちょっとしたことに目を向けてそのへんのおもしろさを掘り下げる能力がほんとにすごいもんだ、といつも感心させられる。
 仲入り後に、志の輔の出囃子をいつも演奏している長唄三味線の松永鉄九郎さんが登場。歌舞伎がらみの話はなかなかおもしろかった。志の輔の2席目は『井戸の茶碗』。古典落語の中でも個人的に大好きな噺だが、考えてみれば志の輔師匠で聞いたのは初めてだったかもしれない。去年、生志さんが話したのを聞いて、生志さんもとてもよかったのだが、志の輔師匠もやはりすごかった。
 会話のちょっとした言葉やしぐさを微妙に個人個人でアレンジしていると思うのだが、今回の屑屋の清兵衛さんは圧巻だった。正直者の清兵衛さんが千代田様と高木の間で伝書鳩のようになって翻弄される様子がじつにおもしろおかしく、しかも正直者ならではの滑稽さみたいなものがすごくにじみ出ている感じで、何度も笑った。隣り席のかよちゃんは涙を出して笑っていた。ストーリーとしては全体的にそんなに重くない展開なんだけど、話す志の輔になんか凄みを感じてしまいました。真冬並みの外の寒さをすっかり忘れてしまうくらい、笑って血行がよくなって身体がほかほかになった感じだった。

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久しぶりに独演会のチラシもパチリ。

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