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2010年4月14日 (水)

感劇話その137 満員御礼。内容もみっちり。立川生志落語会『ひとりブタ The PREMIUM』  

(“感劇”は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。) 

 書きそびれていた4月2日の生志さんの落語会のことを。国立演芸場は満員御礼。これはゲストが志の輔師匠だからというわけではなく、充分に生志さんの人気と実力によるものだろう。といっても、開演が18時半だったから、開演直後はやや席もまばらだったが。そりゃ普通にお勤めしていたら18時半までに入場するのはけっこうむずかしいだろうと思う。この演芸場での落語会は三三さんにしろ、たいていは19時が開演。なのにこの日は18時半にしたその理由は、ゲストが志の輔だから、だと。「志の輔師匠はゲストで来ても1時間くらいはしっかり話していきますから、終わりの時間が読めませんからね〜」と、生志の言葉。演芸場は終わりの時間が比較的早く決められているので、時間が押して会場に迷惑をかけないようにという配慮だったようだ。たしかに。でも笑える。
 立川談奈の『権兵衛狸』に続いて、生志の1席目は『茶の湯』。ご存知、ご隠居と定吉のお噺だ。お茶の作法を知らないために、抹茶の代わりに青きな粉とムクの皮にお湯を注いでぶくぶくとかき回して飲む二人。ムクの皮というのは昔、石けんとして使われていたものだから、そんなもの飲んだら当然、二人ともお腹を壊してしまう。だが、もっと茶をふるまいたいご隠居は、その後も次々と知り合いを招待して新たな犠牲者を増やしていく。挙句の果てにお茶菓子までも自前で作り、さつまいもと蜜を練って、灯油を塗った“利休饅頭”なるものまで“お茶”と一緒に出す始末……。ご隠居と定吉のやっていることは他人を巻き込んで大迷惑なことなんだけれど、二人の掛け合いに、どこかとぼけた、のどかなご隠居さんの日常が描かれている。
 続いて志の輔が登場。マクラで旭山動物園のシロクマや、シロクマのピースちゃんとご対面した話をしてどっと沸かせた勢いのまま、お得意の『はんどたおる』へとなだれ込む。この夫婦の“かみあわなさ”は、何度聞いてもおかしい。というか、こういうネタを噺にしてしまうって、つくづくすごいもんだなあと改めて思ってしまう。
 仲入りの後、生志の2席目は『百年目』。これをいちばん最初に聞いたのは小米朝が米團治になる寸前くらいの高座だったけれど、堅物のはずの番頭さんがじつはすごい遊び人だったという噺で、遊び人の部分が“若旦那”の小米朝ならではで、雰囲気がよく出ているなあと思ったのだけれど、生志はきっと若旦那のようには遊んでいないんだろうなあという感じではあった。でもその分、堅物で生真面目な部分の番頭さんのところは、善良な感じがよく出ていると思った。生志さんもここんとこ、ますます快調になってきている気がします。

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演目はこの通り。『権兵衛狸』は、狸と権兵衛さんのやりとりが、なんかほほえましい。

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