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2010年3月 9日 (火)

感劇話その135 今月もきっちり3本__「月例三三独演」@国立演芸場(3/2)

(“感劇”は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。) 

 いきなり真冬に逆戻り。それも夜になってからは霙だか雪が窓に打ち付けるように吹き荒れて、まるで東北の冬みたいだねと夫と話しながら、家の中にいてもなんだか動きが鈍りがちで、冬眠しているような気分の夜を過ごしている。そんなわけで、もこもこしながら先週行った落語の話を。
 毎月やっている「月例三三独演」。昨年の夏以降は水天宮前の会場が続いていたが、久々に国立演芸場に戻ってきた。三三さんが古典を三席ぽんぽんぼんっと軽やかにこなす。1席目は『家見舞い』。宵越しの金はもたず、もともと金もなく、しかし義理だけは欠かせない江戸っ子が巻き起こす滑稽噺だ。兄貴分の引っ越し祝いにと、炊事に使うための水瓶と間違えて廁で使われていた瓶を手に入れる二人の男。間違いに気づいた後でも、敢えてそれを贈ってしまうところから悲劇が始まる。このような下ネタ的噺(性的なことではなく排泄のほう)は、ほかにも役人をこらしめるために瓶の中に酒と偽って別のものを入れたりする噺(『禁酒番屋』)もあるが、お話だとわかっていても、ついつい反応して「やめて〜っ」と声を上げそうになってしまうことがたびたび。江戸や明治の庶民にはネタ的にも今よりもっと身近で、きっとかなりウケたんだろうなあと思う。
 2席目は『干物箱』。親が怖いけど遊びに出たくてたまらない若旦那が、自分の代役として声の物真似が得意な貸本屋の男を自分の部屋に入らせて、吉原に遊びに行こうとするところから始まる滑稽噺。干物を入れる干物箱って、たしかにありそうでいて、ないなあ……。それはいいとして、この噺は昔、ドラマ『古畑任三郎』の中で、煮干しを使ったダイイング・メッセージの答えとして使われたこともあった。リアルタイムでこのドラマを見たときは、まだ落語になんの興味もない頃だったけど、落語好きの人が見ていたら、なるほど〜! と、より一層楽しめたんだろうなあと思う。そして3席目は『佐々木政談』。南の町奉行、佐々木信濃守が、遊びで“お裁き”ごっこをしている子供をみつけ、頓智の才があると見抜いた男の子、四郎吉を奉行所に呼び、頓智の掛け合いをした挙句に、四郎吉の出世の道が開けたというお噺。これは昔、志の輔でも聞いたことがあったが、三三さんのお奉行ぶりもなかなかパリッとしていたし、実際、3席目に黒紋付で登場したきたときは、客席からも「おっ」と、噺への期待のような空気がふくらんだ感じだった。そして四郎吉のお茶目な感じもよく出ていて、楽しめた。この日は風邪が鼻だけにずっと残っているとのことで、けっこう辛そうな喋りのときもあったが、しっかり最後まで乗り切ったという感じでした。

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いつものプログラム。ときには裏側も(右)。

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