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2009年12月26日 (土)

感劇話その126 忠義と肉親の情の狭間で……__12月文楽公演本公演

(“感劇”は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。) 

 今月の文楽(既に公演は終了)は鑑賞教室と本公演の2本立てで、本公演のみを鑑賞。「近江源氏先陣館(おうみげんじせんじんやかた)」と「伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)」の2演目だった。「近江源氏……」は初めて。今年なにかと話題になった“愛”や“義”がテーマの忠義もので、敵味方に分かれて戦うことになってしまった兄弟のお話。兄弟それぞれの息子同士が戦い、捉えられる弟側の息子、義を貫くために愛する我が子を犠牲にする弟と、その弟や甥っ子への肉親の情と主君への忠義の間で苦悩する兄と、その母……双方の家族の間で、たくさんの苦悩と不条理が描かれる。またしても、父のため、家のためにと子供が若い命を散らす話で、このパターンは何度見ても辛いというか、釈然としないというか。子供の人形の頭(かしら)が純粋で美しい顔立ちをしているのが、よけいに悲劇を感じさせられる。「伊達娘……」はおなじみ八百屋のお七の話だが、愛する男への強い想いから、雪でつるつるすべる火の見櫓のはしごを何度もすべりながら上っていくお七の一途さに、いつも心を打たれてしまう。ぜんぜん関係ないのだが、櫓に立つお七と、その周りの雪の中で格闘するお杉、弥作の3人の姿を見ているうちに、何故か前に見た勘三郎さんの「三人吉三」のラストシーンを思い出してしまった。

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プログラムの表紙(右)と見返し。人形は右から「近江源氏......」の盛綱、小四郎、微妙、篝火。

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