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2009年11月28日 (土)

感劇話その124 たっぷり生志のたっぷり3席__立川生志らくごLIVE「ひとりブタじゃん」

(“感劇”は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。) 
 書き忘れていた今月の“カンゲキ”。今月初め、立川生志がにぎわい座でやっている落語会「ひとりブタじゃん」に行ってきた。生志さんは去年4月の真打ち昇進お披露目会みたいなのに行って初めて聞き、今年の夏に池袋で聞いたのが2回目だったのだが、ぐんと落ち着きが出ていたというのか、安定感が出てきたというのか、とにかく上手いなあ、いい味出しているなあ(とくに古典がいい)と思ったので、にぎわい座の彼の落語会にも行ってみることにしたのだったが、期待通りによい会だった。
<この日のお題>
開口一番/立川志の春「看板のピン」
生志「悋気の独楽」
生志「禁酒番屋」
〜仲入り〜
俗曲/檜山うめ吉
生志「鼠穴」
 「看板のピン」、初めてだったけどおもしろい噺だった。ご隠居とか先輩格が先にやったことを、後で愚か者が真似をして失敗するというパターンの噺を落語では「鸚鵡」というそうで、これもその一つだが、この噺では親分のやり方があまりにも粋でカッコ良いので、真似しようとする子分の言動にものすごい落差があって最初から笑ってしまう。生志さんは、亡くなった立川文都さんへの想いもたっぷり語りつつ、その後「悋気の独楽」。これも初めてだったが、定吉のキャラクターがおもしろかった。定吉というと、どうしても亡くなった円楽師匠の声でおなじみのお線香のCMを思い出してしまうのだが、いつもおとぼけキャラの丁稚さんのようで、次の「禁酒番屋」にも出てきて笑いを誘っておりました。これは聞いたのは2回目で、数年前、最初に聞いたときに定吉が出て来ていたのかどうかさえも忘れてしまっていたが。これは後半、一気にお下品な路線になる噺なんだけど、生志の語りの上手さゆえか、そのあたりが(知っている人にはわかると思います)とてもリアルに感じられて、お話なのにもかかわらず、会場からも「きゃー!」「いやー」とか声が出ていました。俗曲のうめ吉さんは、艶っぽくて粋で、いい雰囲気でした。あの豊かな日本髪がすべて地毛で、しかもご自分で結っているというのには驚いたけど、都々逸や踊りなどお座敷の風情を感じさせるような感じでとてもよかった。
 最後の「鼠穴」は以前にも何度か聞いたことがある噺。この日がネタおろしだったそうだが、生志さんも情感たっぷりに聞かせてくれた。←というのは主に弟にまつわる部分の噺で、じつは私はこの噺を聞くといつも、兄はケチで悪人なのか本当はいい人なのか、いまいちよくわからなくなるのだが、今回もそうだった。生志さんは今年の春に大病をされたそうだが、今の語りの味わい深さみたいなものは、やっぱりその経験と何かしら関係があるのかしら、と思う。とにかく、またちょくちょく聞きたい噺家さんの一人であることは間違いない。

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左端は、その日のにぎわい座入り口。チラシの似顔絵、そっくりです。

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