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2009年11月 6日 (金)

感劇話その122 まったり楽しい。柳家小三治独演会@横浜にぎわい座

(“感劇”は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。) 

 昨日はにぎわい座で小三治独演会。最初はこみちちゃんの『締め込み』。留守だと思って盗みに入り、荷物をまとめていたところに家の主が帰って来ることに気づいて風呂敷包みをそのままに、床下に隠れた泥棒。戻って来た主はその包みを見て、女房に男ができてでていく準備をしているものと早とちり。そこへ、女房が風呂から戻って来て起こる夫婦喧嘩のドタバタ劇。以前、たぶん三三さんで聞いたことがあった話だが、こみちちゃん、相変わらず安定感があっていい感じ。江戸弁のべらんめえ調の旦那の話っぷり、「……しておくれでないかえ」調の女房の話っぷりも上手だし、聞きやすいし。いつも元気で、楽しい気分にさせてくれる、好きな女性の噺家さんだ。
 小三治の1席目は『お茶汲み』。簡単にいうと、吉原での客と花魁の騙し合いの話だ。マクラで「ひやかし」という言葉の語源について説明。紙漉の工程の中で、紙をしばらく水に浸しておく工程を「ひやかす」といったそうだ。昔、吉原の近くに紙漉の工房があり、紙を水に浸している間、職人たちが暇つぶしに吉原に行って、店先に並ぶ遊女を覗いたり、買う気もないのに値段だけ聞いてみたり。そのうちにそういうお客のことを「ひやかし」というようになった、んだと。そこから吉原を舞台にした落語に突入。“昔、恋仲になった男とあなたが瓜二つだから、私を身請けしてくれないか”みたいなことをいって客を手玉にとろうと、泣いたようにみせるためにお茶を目元につける花魁。目の下にあるのはほくろかと思ったら、よく見るとそれは茶殻だった……。この話を聞いた男がおもしろがって、件の花魁に会いに行き、彼女と同じ手口で迫ってみる、という話。なんということはない話だが、小三治の飄々とした語りと、仕返し(?)をされるときの花魁の表情がおかしい。
 2席目は『一眼国』。マクラで昔の両国の見世物小屋の話をひとしきり。で、この落語は、なにか面白い見せ物はないかと探している見世物小屋の主人が、ある日、「眼が一つしかない女の子を見た」という旅の僧の話を聞いて、その子を捜しに出かけていく。僧の話の通りに一つ眼の女の子に出会った主人はその子をさらっていこうとするが、村人たちにつかまって奉行所に突き出され……。ミイラとりがミイラになってしまうようなお話。意外に短い噺だった。というのも、マクラで実は見世物小屋の話だけじゃなくて、今年よく話したマクラのダイジェスト、みたいなことをかなりたっぷり楽しく聞かせてくれた小三治師匠。マクラからしてもう小話になっている感じ。フランク永井のドキュメンタリー番組の話をして(昔、仲良くおつきあいをしていたらしい)、自分の歌の中でフランク永井自身がいちばん好きな曲というのが、じつは小三治師匠も彼の歌の中でいちばん好きな曲だった、ということを知ってとても嬉しかった、と。
 で、その曲「公園の手品師」の1番を高座で披露してくれたんだけど(お上手でした)、それが、うちの夫が以前に何度か「いい歌なんだよ」といってカラオケで歌っていた曲だったので、二度ビックリしたわけで。たしかにしっとりしたいい曲なんですよね、これが。でも、歳いくつなんだようちのだんな、と思って曲のことを調べてみたら、最初に作られたのは1950年代なんだけど、78年頃にフランク永井が改めてA面にして出してヒットしたようで。てことはまあ、高校生の私たちがピンクレディーやジュリーの歌を覚えて歌っていた時期だから、一つ上のだんながその歌を知っててもおかしくないか。にしても......などなど考えたりしながら、相変わらずまったりと、ほのぼのさせてもらった小三治独演会、でありました。

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プログラム(左)と、この日の演目

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受信: 2009年11月12日 (木) 15時17分

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