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2009年10月 1日 (木)

夜が長くなる1枚……。

 明日が締め切りなので、久々に夜もマックに向かう。気がつけば窓の外のBGMの勢力図はすっかり秋の虫に支配され、蝉の声はもうどこにもない。そりゃそうか、もう10月だもんね。そして、鈴虫や蟋蟀も一晩中鳴いているわけじゃないから、しんと静まり返る時間もたびたびやってくる。
 久しぶりに「CHET BAKER SINGS」を出してきて、かけた。チェット・ベイカーの歌声がしっくりなじむ空気になると、秋だなあと実感する。もちろん私の独断と偏見だけど、この人の曲は夏にかけてもいまいちピンとこなくて、秋とか冬が似合っていると思うのだ。
 このアルバムの中の『BUT NOT FOR ME』を聞くと、映画「恋人たちの予感」を思い出す。どの場面だったかはさすがにおぼえていないが、『BUT NOT FOR ME』が流れていた。このときは、歌っていたのはハリー・コニック・ジュニアだったけれど。メグ・ライアンの代表作のこの映画、30歳を過ぎた頃だったか、ビデオを借りて何度も何度も繰り返し見た。ちょうどこの映画が日本で公開される頃にニューヨークへ行っていたことも影響していたのかもしれないが、映画の舞台になったニューヨークの街のシーンとか、そこで繰り広げられるビリー・クリスタルとメグ・ライアンのやりとりとか、なんだかわからないけどすごく惹かれて、何度も見た。そして、「もうすぐ40になっちゃう」みたいなことを言ってメグ・ライアンが泣きわめくシーンで一緒に涙を流していた。今、考えると笑ってしまうんだけど、きっと当時は胸に刺さったんだろうな。
 もう一つ、このアルバムに収録されている『I GET ALONG WITHOUT YOU VERY WELL』が流れると、思い出すのはカーリー・サイモンのアルバム「TORCH」。もちろんチェット・ベイカーのほうが何年も前に先に歌っているんだけど、私がこの『I GET ALONG WITHOUT YOU VERY WELL』という曲を初めて聞いたのは「TORCH」で、だった。「TORCH」はカーリー・サイモンがジェイムス・テイラーと離婚した直後に出したアルバム。そこで「私はあなたがいなくなってもちゃんとうまくやっていけるんだから……」という切ない女心を淡々と歌い上げるカーリー。これも胸に沁みました。これは大学4年の頃か、社会人1年生の頃、だったか。で、男性のチェット・ベイカーが歌っても、なかなかによいのですね、これが。
 てな具合に、秋の夜長につらつらといろんな時間旅行ができてしまう、なんだかすごいアルバムです。

200910020136000


『BUT NOT FOR ME』の作曲はジョージ・ガーシュイン

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