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2009年10月28日 (水)

感劇話その119 言葉あそび、な夜。「月例三三独演」@日本橋公会堂

 なんだかんだしているうちに、今月も残り数日。というわけで、今月のカンゲキを今月のうちに書いておきます。まずは19日に行ってきた三三さんの独演会。マクラに小学校での落語会の話をしながら、子供にもウケる噺として『じゅげむ』についてちょっと披露した後、一席目は『たらちね』。異常なまでに言葉遣いの丁寧なお嫁さんをもらった八五郎さんちの騒動を描く滑稽話。お嫁さんの言葉が馬鹿丁寧すぎて、周りの人は何を言っているのかさっぱりわからない。にもかかわらずそんなことおかまいなしに、至って真面目に話すお嫁さんと周囲のリアクションがおかしく描かれる。というのも、お嫁さんの丁寧言葉は漢語調で、「今朝は風が強くて目に砂が入って歩きにくい」というところを、「今朝は怒風激しゅうて、小砂眼入し歩行為り難し」てな調子だからなのだ。このお嫁さんの漢語調の喋りがまるで呪文のようにも聞こえて、『じゅげむ』に続く言葉遊びのようなおかしさがある。
 続いては『長寿番付』。江戸から旅に出た二人連れがとある村で、酒を売ってもらう交渉がうまくいかず、頭に来た兄貴分が「この、うんつく野郎」「どんつく野郎」と、悪態をつく。その言葉に反応した村人たちから詰め寄られると、兄貴分は「うんつく」も「どんつく」も褒め言葉だとあらぬ話をでっちあげて、村人たちを妙に納得させ、歓待されるという噺。「うんつく」も「どんつく」も“のろま”とか“とんま”とか、そういう意味なのに、「うんつくは運がつく。どんつくはどんどん運がつく、という意味だ」といって、見事に村人を納得させていくプロセスがおかしい。
 仲入り後は『お見立て』。これは、わがままな花魁・喜瀬川が客を断るために、若い衆の喜助にあれこれと伝言をさせる噺。喜瀬川の言葉をそのまま客に伝えるものの、予想外のリアクションをされて困った喜助が何度も喜瀬川と客の間を行き来する様子がおかしい。これも、“言葉”がポイントの噺。流山の大金持ちという客の言葉の訛り具合と喜助の対比もおもしろいし。思うに、この日の三三さんは、マクラからずうっと“言葉あそびつながり”という感じだった。
 それにしても、『お見立て』の花魁、喜瀬川は、『三枚起請』で3人の男を騙して手玉に取ったあの喜瀬川と同一人物だということらしいから、相変わらずマイペースでわがまま全開、“わちき”流なのであった。おそるべし、いや、あっぱれ喜瀬川。

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今月のプログラムは黄色。

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