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2009年10月19日 (月)

感劇話その118 蜘蛛も見得を切る!__芸術祭十月大歌舞伎

(“感劇”は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。) 

 今月は歌舞伎座(昼の部)へ行ってきた。春以来、歌舞伎を見ていなかったうえに今月は歌舞伎座に玉三郎さんも出るので久々に行きたいなと思いつつ、そうはいっても今からチケットとろうとしても無理だろうなあと思っていた矢先に、ちょうど出演している役者さんのインタビューも決まった、などなどがあって、それではとダメ元でチケットセンターに電話してみたら、ラッキーにもあいている席があったのでゲット。
 昼の部は、歌舞伎十八番の内『毛抜き』、『蜘蛛の拍子舞』、心中天網島より玩辞楼十二曲の内『河庄屋』、そして『音羽嶽だんまり』の4演目。見どころはやっぱり玉三郎さんと菊之助さんの舞いが見られる『蜘蛛の拍子舞』だ。鮮やかなもみじが美しいセットの中で、菊之助、松緑、玉三郎の3人による舞踊。静かな舞いだが、3人の息のあった艶やかな動きに目を奪われる。玉三郎さんの相変わらずの美しいえび反りにはタメイキ。大きな蜘蛛の被り物が出てきたときには驚いたが、ずるずるした脚がたくさんあって動き辛いだろうに、切れのよい動きをするのでさらにびっくり。そしてしっかり見栄まで切ったのにまたまたびっくり。見栄を切る蜘蛛、初めて見た。最後はこわーい蜘蛛メイクの玉三郎さんが出てきて、蜘蛛の糸を豪快に出しまくり。エンターテインメント性に富んだ、スケールの大きな舞踊劇だった。
 『河庄』は文楽でもおなじみのお話だが、妻子がありながら遊女の小春と深い仲になり、心中の約束まで交わす紙屋治兵衛という男の情けないほどの身勝手さ、不甲斐なさを藤十郎さんがよく表現していた。小春が治兵衛の妻への義理をたてて身を引こうとして心変わりを装うと、そんな小春の心を何も察することができない治兵衛は逆上し、悪態をついて小春と別れる。そのあたりの(乱暴にいうと)バカ男ぶりが嫌になるほどよく出ていたし、振り払いたくなるほど嫌なねちっこさ。それによって時蔵さん演じる小春の凛とした悲しい美しさがさらに強調されていた気がする。
 『毛抜き』は三津五郎さん演じる粂寺弾正の豪快さ、コミカルさが小気味良い。『音羽嶽だんまり』では松緑さんの長男、藤間大河さん(3歳)が初お目見え。大河さんが菊五郎、富十郎、吉右衛門など大先輩方に囲まれて舞台にいるシーンを見ながら、歌舞伎はこうやって続いていくんだなあと改めて思った。

200910191158000


夜の部は『義経千本桜』。

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