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2009年9月 9日 (水)

感劇話その111 試し酒に酔う__志の輔noにぎわい

(“感劇”は、感激と観劇を合わせた勝手な造語です。念のため。文楽、歌舞伎、落語、お芝居その他ライブの感想をまとめています。) 
 今月1日に行ってきた志の輔の落語会のお話(@横浜にぎわい座)。にぎわい座はいつ行ってもなんとなくほっとするというか、居心地がいい。会場内で飲食ができるせいもあるのかもしれないけど、なんだかみんながくつろいでいる雰囲気。枝豆で缶ビールとかやっている人もいるし、花見弁当みたいなおべんと食べているおじさんもいる。さすがに落語中は話に集中するから食べている人はあんまり見かけないけど。ちょっと寄席みたいな空気があっていい。
 開口一番、お弟子さんの噺は『真田小僧』。おこづかい欲しさに“おとっつあんの留守中におっかさんのところによそのおじさんがやってきて……”と、父親を惑わすことを口にする息子。“続きを聞きたいなら小遣いちょうだい”という具合に、まんまと小遣いを巻き上げていく。オトナも顔負け、って感じに次から次へと悪知恵が働く。可愛げがない、んだけど、どこか憎めないやつだ。
 志の輔が登場。案の定、マクラは選挙関連。今回も出口調査の精度が上がったのか、結果がどんどん早く出てつまんなかったと。たしかに。前回の落語会のときにやはりマクラで「あんまり早く結果が出るとつまらないから、みなさん出口調査で聞かれたときにはウソの回答をしてください」と言っていた志の輔。だからというのも変だけれど、私は、投票所の出口近くで待機する調査スタッフらしき人たちの塊とは別側の道から帰った……って、これって、別に師匠に協力していることにはなりませんが。
 1席目は『試し酒』。「久蔵は大酒のみで、一度に五升は飲み干せる」と、旦那から聞いた近江屋が、おもしろがって、その久蔵を呼び込んで実際に五升飲ませようとするのだが……。久蔵さんって、話しぶりがなまってたけど、東北の人なのかなあ。私の好きな、志の輔が酒を飲み干すシーンがたっぷり出てくる噺。なんといっても五升を飲み干すのだから。『八五郎出世』とかでもそうだが、志の輔は、大きな盃で酒を“んぐんぐ”と飲み干していく感じがほんとにうまくて、飲みたいような、飲んだような気分にさせられる。お相撲さんが優勝したときに飲むような、1升入る大盃をゆっくりとあけていく久蔵さん。ほんとに盃が見えるよう。ぷはーっ、いい酒だ......。こんなにいい酒いつも飲んでんの? みたいな台詞は『八五郎出世』とおんなじパターン。久蔵さんが1杯目の盃をあけたところからもう、聞いているこちらの気分は酔っぱらいである。
 2席目は『柳田格之進』。これも好きな噺。誇り高い武士の生き様を描いたお話だ。五十両の金を盗んだと、身に覚えのない疑いをかけられてしまう柳田格之進。飲んべえの久蔵さんとは打って変わって、実直で一途な武士を渋〜く聞かせる志の輔。今回もたっぷり楽しませていただきました。

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