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2009年7月 9日 (木)

感劇話その104 夏も近づく志の輔noにぎわいは、怪談ネタも。

 夜からにぎわい座で志の輔の落語会。開口一番はお弟子さんのめんそーれさんだった。やはり沖縄出身の人だった。演目は『道灌』。噺家が高座で話を忘れそうになる場面に初めて出くわした。でも、思い出して無事に続けられてよかった。つーか、思い出せなかったときはどうするんだろうね。ああいう、高座での咄嗟のハプニングにどう対処するか、ということも噺家としての力量になってくるのかもなあと思った。
 志の輔の1席目は『お菊の皿』。怪談『番町皿屋敷』を下地に、お菊さんのその後をコミカルに描いたもの。志の輔でこれを聞くのは初めてだったが、物見遊山で出かけて行く江戸っ子仲間の描き分けがいつもながらうまい。だけど意外とさらっと終わった感じ。この噺は噺家が独自に工夫を凝らす部分があるようで、前に女性の噺家(柳亭こみちさん)で聞いたときは、お菊さんが差し入れを食べ過ぎてちょっと太ったような話が盛り込まれていた。今回の志の輔にはそれはなく、代わりに(?)お菊さんには三平という言い交わした男がいた、というエピソードが盛り込まれていた。これはけっこう使われるネタのようで、案の定、初代三平(こぶ平の父)のネタが出てきた。選挙にまつわるマクラはおもしろかった。
 仲入り後、先月真打ちに昇進したばかりの立川志遊さんが、「大安売り」。相撲の噺で、関取のゆったりした話しぶりはなかなか雰囲気があった。関係ないけど、志遊さんの顔がどうしても東国原知事の顔に見えてしまい、関係ないところで何度も笑いそうになった私であった。
 志の輔の2席目は「大名房五郎」。先月の「江戸の夢」と同じく、宇野信夫の作だ。大工の棟梁でえらい目利きの房五郎が、金持ちの万屋万右衛門をとっちめる噺。とらぬ狸の皮算用をして名品の掛け軸に大金を注ぎ込む万右衛門と、その女房の様子がおかしい。(掛け軸が)岩佐又兵衛の作というので、お菊さんに続いて「山中常磐物語絵巻」みたいなおどろおどろしい絵の話になるのかなと思ったら、そうじゃなかったのだが、話を聞きながら、やはり前に志の輔で聞いた「抜け雀」を思い出していた。あれは襖に描いた雀が朝日を浴びると飛び経っていく噺で、今回は、絵の中で傘を持っている人が雨になると傘をさす? というものだが、あたかも生きているかのように見えるとか、動き出す、というのが名画を表わす一つの要素になっているんだなあと思った。それにしても、「江戸の夢」といい、この「大名房五郎」といい、宇野先生の噺はなかなかにおもしろい。戯曲集とかあったら読んでみたくなりました。

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にぎわい座の公演予定表より。師匠はいつもこんなふうに元気です。

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