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2009年4月27日 (月)

感劇話その95 熱演『髪結新三』__三三独演会

 先週末、三三さんの独演会にいってきた。@なかのZEROホール。雨が1日中降り続いた寒い日だった。にもかかわらず客席は満員。心なしか、先日の国立演芸場のときよりもお客さんの年齢層が高い感じがした。
 桂三木男さんの『猿後家』に続いて、三三さんの1席目は『口入屋(くちいれや)』。口入屋とは現在の職業紹介所のことだそうで、ある大きな店に口入屋を通じて女中奉公にきた美女を巡り、番頭や手代が巻き起こすドタバタコメディみたいな話。夜中に二階の女中部屋に忍び込もうとする一番番頭、二番番頭、手代の3人。しかし、それを見越したおかみさんによって既に梯子がはずされている。それでもなんとかして二階に行こうと、それぞれ膳棚や天窓のひもを使うのだが、バランスを崩してすごい体制になってしまい、それでも物音を立てないようにするために、必死で不安定な体制を保ち続ける3人の滑稽さ。立ったままいびきをかいてみたり、手代なんて、井戸に落ちてしまい、水面ぎりぎりのあたりで手と足を突っ張って井戸の内壁に張り付いているような感じ。そこまでして夜這いにエネルギーを注ぐ男たちの姿が哀れで可笑しいというか。三三さんの三軒中継ぶりがおもしろい。
 続いては、中入りをはさんで『髪結新三(かみゆいしんざ)』を通しで。『髪結新三』は歌舞伎にもあるが、落語を聞くのは初めて。小悪党の髪結新三が、白子屋の娘・お熊をだまして勾引す話。わりとシリアスな話なのかと思っていたら、落語では新三が大家の長兵衛にとんち話のようにやりこめられて、おもしろおかしく終わっていた。大親分の弥太五郎にもひるまず啖呵を切る新三の憎らしさというか厚かましさはすごいが、大家の長兵衛の強欲ぶりのほうが一回りも二回りも上手という感じ。ほかにも車力の善八、弥田五郎親分の妻など、キャラが立った人物をしっかり語り分けていて、ドラマを見るようだった。熱演といった感じでした。
 この髪結新三の噺は江戸時代に実際にあった事件をもとにして作られたものだが、もともと浄瑠璃として作られているので文楽でも見たことがある。浄瑠璃では新三よりもお熊(話の中では名がお駒となっている)のほうにスポットを当てて、好きな人のために殺人を犯してしまう女性の一途な愛が描かれている。処刑当日、黄八丈を着て馬に乗せられていくお駒(紋寿さんが遣っていた)の姿が印象的だ。
 蛇足だが、中野だったので早めに行って、ラーメンの有名店「青葉」を初体験。中華そば(650円)を食べた。チャーシューがもんのすごくやわらかかった。スープはとんこつよりも魚系の味がしっかり出ている感じがしたが、何年ぶりかで来たという夫は「昔と味が変わった気がする」といっていた。私はけっこう好きな味だったけど。

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