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2009年4月15日 (水)

感劇話その94 三三のみっちり三席堪能

 このところ落語会が続いている。たまたま、ですが。今日は三三さんの独演会。@国立演芸場。5日前には花が散り始めていた最高裁の桜の木はすっかり緑の葉っぱだらけになっていた。桜はホントに早い。
 プログラムを見たときは二席かなあと思っていたが、仲入りの前に二席、仲入り後に一席と、計三席。たっぷりやってくれた。ドジな泥棒と、盗みに入られたことを逆に利用しようとするインチキな八五郎の話『出来心』、病で亡くなった女房が三年目に幽霊となって出てくる『三年目』、そして、殿様の側室となった妹がお世継ぎを生んだことで、お屋敷に招かれる兄・八五郎の話『妾馬』。
 昔は納棺のときに亡くなった人の髪を剃っていたらしい。『三年目』の女房は自分の死後、夫が再婚したらその夜に幽霊となって出てくると約束したにもかかわらず、実際には夫が再婚しても三年間、現われなかった。その理由は……髪がきれいに伸びるまで三年かかったから、というのだ。幽霊になって出てくることで夫の再婚を邪魔しようとしたくらいの焼き餅焼きなんだけど、髪の毛が伸びないと出て来れないなんて、なんかいじらしい。そんな女性のかわいらしさが微笑ましく描かれている。私は三三さんの“江戸の時代の頃の女性の喋り”が好きなんだけど、この噺ではそれが楽しめた。
 そして『妾馬』。これは別題『八五郎出世』ともいわれていて、噺家によって微妙に細部や下げが違っていたりするようだが、『八五郎出世』としては志の輔で何度か聞いたことがある。殿様の前でもまったく気後れせずにマイペースを貫く八五郎の言動がすごく愉快なのだが、そこは三三も同じ。志の輔のバージョンでは母からお鶴への伝言をたっぷり八五郎が語る場面でほろりとさせるが、三三さんのバージョンでは母の伝言はそんなに多くはなく、ひたすら八五郎のおとぼけぶり(殿様の前で丁寧に喋ろうとしているつもりが、やたらと“お”と“奉る”を付けすぎて全然意味不明になっている)と、側用人・三太夫のあわてぶりが楽しい噺になっていた。大盃に注がれたお酒をんぐんぐと飲み干すところは、志の輔のほうがすごく美味しそうに見えたのを覚えているんだけど、それはやっぱり酒飲みの度合いの違いかなあ、なんてね……。

200904171141000


パンフです。

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