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2009年1月23日 (金)

感劇話その83 たかりえ、女優魂の応酬 ー 野田地図「パイパー」

 たかりえ、って、貴乃花と宮沢りえ、じゃないですよ。松たか子と宮沢りえ、のことです。念のため。
 夕方までに校了の校正戻しをファクスで送り、夜は野田地図「パイパー」を見てきた。宮沢りえと松たか子のダブル主演というか競演ということで、事前から話題にもなっていたようだが、まさに今、この二人をガチンコで出せるのは野田秀樹だけかもしれない。ほかにも大倉孝二、北村有起哉と、好きな俳優さん揃い。
 舞台は地球の人々が移住して1000年後の火星。夢を抱いて移住した人類と、人類と一緒に連れて来られたパイパーなる生物というかロボットというか、それらが1000年後にどうなっているか、というお話。パイパーは、当初は人間の苦痛や悪い心を吸収してくれる存在、なんだけれど……。正直、ストーリーはやや難解だったが(私には)、人類の幸せのために作られたパイパーが、時代とともに変貌を遂げていくというところは、ある意味、現代社会を風刺しているような感じもするし、母と娘の想い、みたいなものは普遍的テーマという気もするので、ストーリーがしっかり飲み込めなくてもなんか共感できるところが随所にあって、ジーンとしてしまう。
 圧巻なのは、松たか子と宮沢りえ(メインは姉妹の役で、ほかにも何役ずつか兼ねている)が二人で火星内を彷徨うシーン。歩きながら交互に台詞をしゃべるのだが、これがものすごい量。長いというか多いというか、何分くらいあったのかわからないが、5分? 10分? さすがに10分はないかな......とにかく長い。すごく多い。しかもけっこう早口なのに、二人とも全然間違えずに、鬼気迫る感じで、台詞の応酬という感じで、競演だけど対決しているようにも思えたりして、すさまじかった。そして、二人ともとっても魅力的。松たか子のヘアスタイルがウランちゃんみたいなのもかわいかった。パイパーを演じていたのはコンドルズだったが、ときにダンスのようにも見える独特なパイパーの動きは、彼らならではだと思う。
 いつもながら迫力があってエネルギッシュで、心がいろんなふうに揺さぶられて、終わったときになんだか運動した後のように心身が高ぶっている感じがするのが、野田地図の舞台の魅力。

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チラシです。いい女って、似るものなんだろうか。

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