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2008年12月18日 (木)

静かなスティングもいい。

 夕方までに原稿を仕上げて送り、夜はオーチャードホールでスティングのコンサート。そういえば、今年の2月には再結成したポリスのコンサートに行ってきたんだったが、今回はオーチャードホールという場所からして、アコースティック中心のステージかなと思ってチケットを購入。フタを開けてみると、全編リュートだけを使ったものだった。先頃、スティングが出したアルバムが、リュートを使ったカバー集で、16世紀にイギリスに実在した演奏家ジョン・ダウランドの曲をカバーしたものだが、それをそのまま実演したような構成だったようだ。
 奇しくもリュートは先週、フェルメールの絵でもみたばかりだったが(「リュートを調弦する女」)、マンドリンのようにボディが丸くて、ネックの部分が長く延びているような古楽器。だからというわけでもないが、なんとなく音色もクラシックな感じがする。ポロロンと流れるリュートの音を聞くと、何故か私はいつも映画『ロミオとジュリエット』の舞踏会のシーンを思い出す。もちろん、オリビア・ハッセーとレナード・ホワイティングのロミオとジュリエット。仮面をつけて舞踏会に潜り込んだロミオがジュリエットと運命的な出合いをするあの舞踏会だ。
 それはさておき、男女8人のコーラス隊による聖歌のようなきれいな合唱曲が数曲披露された後で、燕尾服を着たスティングと、アルバムでも共演したリュート奏者エディン・カラマーゾフ(やっぱりロシア人なのかしら……)が登場。時々、朗読をはさみながら、終始椅子に座ったままでリュートだけの演奏と歌が淡々と続く。そこにはポリスのスティングのシャウトもパワフルなアクションも、いっさいなかったけれど、リュートの音色もスティングの歌声も耳に心地よく、ゆったりと楽しめた。アンコールの1曲めはビートルズの「イン・マイ・ライフ」。歌い出すと会場から拍手が出た。ひょっとして、ビートルズのオリジナルでも出だしのメロディはリュートだったのかしら……と思った。次はスティング自身の「フィールズ・オブ・ゴールド」。これも拍手が出た。たぶん、アンコールになってやっと知ってる曲を次々やってくれた、という嬉しさが、私も含めてあったんだと思う。さらに続いて「メッセージ・イン・ア・ボトル」。ちょっとロックっぽくなってきたけど、楽器はあくまでリュートで、リュートで聞くのもまた一考だった。ほかにも1曲、題名は忘れたけれど昔のソロアルバムからアップテンポな曲を披露してくれて、何回目かのアンコールの最後の最後は日本の曲「さくら」だった。こんなにたくさんリュートの演奏を聞いたのは初めてだったけど、なかなかいいものでした。

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