« ディズニーランド以来...... | トップページ | 今年もいろんな人に会いました。 »

2008年12月13日 (土)

感劇話その77 あり得ない! けど、そこも見どころ ー『源平布引滝』

 12月の文楽公演は、鑑賞教室と本公演の2本立てで、ここ2、3年、私は本公演だけ見に行っている。鑑賞教室は学校主導による高校生の団体客がすごく増えてきているようだ。本公演は『源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)』。昭和45年以来の上演となる二段目から三段目の上演、だそうだ。平家打倒の旗印である源氏の白旗をめぐるさまざまな悲劇が繰り広げられる。
 白旗を託された女性、小まんは追っ手に迫られても、手にしっかりと白旗を握りしめて絶対に離そうとしない。それで(旗を守るために)、あえて小まんの腕ごと斬り落として海に落とす齋藤実盛。後ろの敵と一緒に自らを刺して壮絶な最期を遂げる木曽義賢。これも白旗を守るため。そして、白旗を握りしめたままの状態で網にかかった小まんの腕は、誰が指を開かせようとしても開かないのに、愛息太郎吉が触ると手を開く(死んだ後にも子を想い続ける母の魂)。自分の孫である太郎吉を木曽義仲の家来にするために手柄をたてさせるため、敵ながらわざと太郎吉の手にかかり、自らの首を切り落として壮絶な最期を遂げる瀬尾十郎……。と、壮絶であり得ない展開が目白押し。しかし、首が飛ぶような場面も人形ゆえに、生々しさやグロテスクな感じがそんなにないのが文楽ならでは。えー、こんなの絶対にあり得なーい! と思いながらもその変化に富んだ展開についつい見入ってしまうのもまた文楽の楽しさ、おもしろさだ。世話物のしっとりした心中話も大好きだけど、こういうデフォルメたっぷりで奇想天外なストーリー展開も見応えがある。太郎吉を遣うのは箕紫郎さん、太郎吉が亡き母の手にすがるシーンでは思わず涙を誘われそうになった。
 
200812161031000


パンフです。実盛(後ろ)と瀬尾。

« ディズニーランド以来...... | トップページ | 今年もいろんな人に会いました。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 感劇話その77 あり得ない! けど、そこも見どころ ー『源平布引滝』:

« ディズニーランド以来...... | トップページ | 今年もいろんな人に会いました。 »