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2008年9月25日 (木)

感劇話その72 華やかで楽しい『歌仙』ーー狂言ござる乃座40th Anniversary

 友達が行けなくなったということでラッキーにもチケットを譲り受け、宝生能楽堂に行ってきた。万作の会が主催する公演は、今日の「狂言ござる乃座」のほかにも「野村狂言座」、「万作を観る会」、「よこはま万作・萬斎の会」などいくつかの会があり、それぞれ目的や内容が違っているのだが、この「ござる乃座」は、もともと萬斎さんの狂言の研磨と新しい曲に取り組む場として約20年前に始まった会で、今回でもう40回を迎えるのだという。個人的には最近は「よこはま……」や「野村狂言座」が中心で、横浜能楽堂や国立能楽堂に行くことが多かったので、「ござる乃座」&宝生能楽堂は久しぶりだった。
 今日の演目は、狂言『咲嘩』、『歌仙』と、素囃子『盤渉楽』。『咲嘩』は萬斎さんの太郎冠者が、ちょっと意地悪でおとぼけで痛快。咲嘩役の万之介さんは相変わらず飄々としていい。『歌仙』は、絵馬から抜け出してきた六歌仙(有名な六人の和歌の名人たち)が繰り広げるにぎやかなやりとりが楽しくて、とっても華やか。プログラムを見ると、この曲は普段狂言では使わない能がかった道具が必要になるので、これまでなかなか上演できなかったそうだが、今回は装束を誂えたのだそうで。柿本人丸(柿本人麻呂のこと)、僧正遍昭、小野小町、在原業平、猿丸太夫、清原元輔といった面子が勢揃いすると、顔ぶれも装束もはぁっとタメイキが出そうなほど豪華で艶やかで、そこはかとなく雅な雰囲気。
 ところが、会話が始まると、まるで現代劇を見ているような俗っぽさが出てきてじつに楽しい。小野小町にお酌をしてもらおうとプレッシャーをかける人丸(万作さん)はまるで上司のセクハラだし、それぞれに出される歌のお題目もちょっとエロっぽかったりして笑える。遍昭と小町の仲を疑う人丸のジェラシーが発端で4対2の喧嘩、さらにエスカレートして弓や刀を持った戦いに、と、なんだかドタバタ喜劇みたいにまでなってしまってびっくりするのだが、弓を構えた業平が遍昭を狙い、そこに小町が割り込んで盾になると、業平の矢がほろりと落ちるあたりは、やっぱり小町はみんなのアイドルなのね〜という感じで、微笑ましいというかなんというか、じつに楽しうございました。

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プログラムの表紙には、過去39回の公演写真が。

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