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2007年9月12日 (水)

玉男さん一周忌追善の集い

 先日文楽一部を観に行った時、カメラマンKさんのご紹介で、国立劇場で撮影の仕事をなさっている小川知子さんとついに対面した。彼女が撮影した吉田玉男さんの写真集は、私の大事な宝物なのだ(今も机の上に飾っている)。緊張してご挨拶し、二言三言話すうちに、玉男師匠の追善供養の集いのご案内を受け、急きょ参加させてもらうことになった。小川さんはそこで玉男さんの門弟の玉女さんと一緒に対談をするのだそうだ。そう、まもなく玉男さんの一周忌。去年の9月、国立劇場の文楽公演の千秋楽を見届けるように玉男さんは亡くなられたのだった。早いなあという感じである。
 ということで先日、集いに参加してきた。場所は国立劇場の裏手にある伝統芸能情報館。第一部は小川さんと玉女さんの対談。玉女さんは公演の合い間を縫っての参加であった。小川さんが数年前に撮影した玉男さんの写真や、50代くらいの頃の玉男さんの写真が数点パネルになっていた。
 第二部はビデオ上映。玉男さんが芸能生活70周年を迎えた平成14年に、自ら選んだという「極めつけ12役」の舞台の一部分を編集したものだ。2番目に出てきた「平家女護島」の俊寛を観ているうちに、いきなり涙が出てきてしまう。さらに「伊賀越道中双六」の十兵衛、「冥途の飛脚」の忠兵衛、「曾根崎心中」の徳兵衛、「一谷嫩軍紀」の熊谷直実、「義経千本桜」の平知盛、「仮名手本忠臣蔵」の大星由良助、そして「菅原伝授手習鑑」の菅丞相……いずれも玉男さんの十八番の役で、これでもかこれでもかと名場面が続いて出てくる。普通の舞台の映像をシンプルにつなぎ合わせているだけなのに、ものすごく豪華なラインナップ。曾根崎の徳兵衛、俊寛、由良助、菅丞相……何度観てもいいなあ……ああ、ほんとうにもう舞台では見られないんだなあ、とか思いながら、またまた涙が出てきて画面に釘付けになっていた。今月の公演の2部は、玉男さんの一周忌追善ということで「菅原伝授手習鑑」が上演されているんだけど、劇場近くの空で、きっと玉男さんが見守ってくださっているんだろうなあと思う。
 上映の途中から外の空が一変、終わって出たらものすごいどしゃぶりになっていた。

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これは今公演のポスター。この菅丞相といい、由良助といい、きりっとしたいい男が本当にお似合いだった玉男さん。ご本人はこの「菅原伝授......」のニ段目がいちばん難しいとおっしゃっていたそうだ。

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