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2007年9月16日 (日)

感劇話その50 吉右衛門の熊谷に涙。秀山祭九月大歌舞伎/昼の部

 先日観た歌舞伎昼の部。「竜馬がゆく」(立志編)、「熊谷陣屋」、「村松風二人汐汲」の3演目。
 まず、「竜馬......」は染五郎が「竜馬がゆく」の歌舞伎化に挑んだ、ということらしいけど、歌舞伎なのかどうなのか、最後までよくわからなかった。染五郎は5月に演舞場で「妹背山婦女庭訓」を観たときと同じく、声がかすれ気味でなんとなく力強さに欠ける感じがした。三谷幸喜の「決闘、高田馬場」を観たときには、やっぱり染五郎には華があるなあと思って感心したのだけれど、あの感激が、どうも最近、本来の歌舞伎の舞台ではいまいち感じられない気がするのは私だけ? かっこいいし華のある役者さんだと思うんだけどね......。「熊谷陣屋」は文楽でも観たことあるけど、さすがに吉右衛門。我が子を犠牲にした親の苦悩が抑えた演技からも十分に伝わってきて涙を誘われる。母役の福助さんも。この熊谷は、九代目団十郎を経て初代吉右衛門(いまの吉右衛門のおじいさんですね。でもって、現吉右衛門は二代目)が完成させた当たり役らしいのだが、二代目もしっかり引き継いで、深みたっぷりに演じていた。
 「村松風……」は舞踊。玉三郎さんが姉の松風、福助さんが妹の村雨の役。7月に観た若手歌舞伎の会では、奇しくも玉三郎さん門下の玉朗さんが同じ演目で、妹の村雨を演じていた(このときは舞踊ではなかったけど)。この演目は、もともとは謡曲「松風」というお能の作品からきているのだが、一人ずつのパートになると、玉三郎さんはお能風の踊りを披露し、福助さんは歌舞伎舞踊の踊り方を。当然、音楽も玉三郎さんのパートは笛や小鼓など能の囃子で、福助さんのパートには三味線が活躍……という具合に、異なる芸風が一つの舞踊の中に収められている。なかなかに珍しい試みだと思った。二人ともすごく美しいんだけど、玉三郎さんはやっぱり際立っている感じで、まじでうっとり。後ろの席のおばさんたちも、「わーん、きれいね〜」と、タメイキをもらしていた。いやー、あれはすごすぎる。

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チラシより。吉右衛門さんの熊谷直実。丸の中は初代吉右衛門。

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