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2007年9月11日 (火)

感劇話その49 「夏祭浪花鑑」半通しだけどじっくり

 今月は国立劇場での文楽公演の月。まずは先日、第一部の「夏祭浪花鑑」を観てきた。前に観たときは、住吉鳥居前、内本町道具屋、釣船三婦内、長町裏、の4段だったが、今回はそれに、道行妹背の走書、田島町団七内、の2段が加わっていた。「夏祭……」は以前に観た4段で全部だと思っていたので、さらに2段あるのかと思ってびっくりしたが、鑑賞ガイドや「文楽ハンドブック」などによれば、全9段らしい。今回の6段で“半通し”ということだそうだが、“半”というよりもかなりの長編に思えた。
 この話は歌舞伎でもちょっと前に勘三郎さんがNYを含め各地で公演したりしているので、わりとおなじみだと思うんだけど、団七の義父殺しや、団七と徳兵衛という義兄弟の、男の心意気、みたいなことが主にクローズアップされる。しかし、私個人としての一番の見どころは、徳兵衛の妻・お辰の男顔負けの気丈さだ。 
 人殺しの罪を犯した磯之丞という若者を遠くへ逃がすために、お辰が同行役を引き受けそうになるのだが、逃亡の便宜をとりはからう老侠客の三婦から、「(お辰)が美人すぎるので、道中、磯之丞と間違いがあってはならんので」と、断られる。するとお辰はその場で焼きゴテを自分の頬にあてて顔を醜くし、「この顔でも分別の、外といふ字の色気があらうかな」と三婦に迫る。いやもう、あっぱれというか、すごすぎるんですけど、まあとにかくものすごくいい女。蓑助さんの遣うお辰は、そんな艶やかさと強さがしっかり同居していて、カッコいい色気がぷんぷんしていた。勘十郎さんの団七も見応えたっぷりで、大活躍という感じ。屋根の上で繰り広げられる捕り物シーンも舞台美術がおもしろい。夏の終わりに夏祭りならぬ男祭り、女祭り。じっくり楽しめた。

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徳兵衛の手助けで、捕り手から逃れていく団七。

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