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2007年4月15日 (日)

感劇話その36 斬新な演出と役者粒揃いの「写楽考」 

 週末に見てきた舞台「写楽考」の感想を。故・矢作静一氏の名作を演出の鈴木勝秀氏が一部の台詞や役をカットしてスピード感増す作品に構成したんだそうだ。残念ながらオリジナルの舞台を観ていないのでその違いはわからないのだが、見応えのある舞台だった。和太鼓と横笛を使った斬新な演出や美術が効果的で、役者も演技派というか、達者な人揃い。写楽の堤真一と歌麿の長塚圭史の、動と静、のような対照的な雰囲気もよく出ていたと思う。期待以上にいいなと思ったのは、お加代役のキムラ緑子とお米役の七瀬なつみの女優陣。とくに緑子さんの奔放さにはひきつけられた。新聞の劇評ではあまりよく書かれてなかったけれど、私は好きでした、緑子さんのお加代。
 最後に写楽が処刑されて舞台が暗転、その後、一転して30年くらい後の桜の花咲くおだやかな農村風景の中に、長生きをしている十返舎一九と写楽の娘、お春が出てくる。お芝居的には写楽が死ぬところで終わったほうがよくて、ここは蛇足じゃないかなあと思ったりもしたのだが、熱く太く短く燃焼して生きた写楽と対照的に、のんびりと長生きを謳歌する十返舎一九を出すことで、観ている人におだやかな救いの気持ちを持たせる効果もあるのかなあ、などと編集者Sと話しながらワイン飲んで帰った。堤真一は、やっぱりはまり役だったなあ。

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会場は堤ファンらしき女性でいっぱいでした。

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