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2007年2月28日 (水)

感劇話その33 蓑助さんのお三輪に見惚れて……

 かなりしつこかった風邪の余波か、朝から頭痛と吐き気に襲われて病院へ行く。これまでも風邪引いて薬を1週間くらい飲み続けて治ってきた頃に胃がおかしくなることがあったけれど、そういったものなのか、どうなのか。頭痛はやっぱり風邪からきているのかもしれないけど、そうじゃないかもしれないからよくわからん。とにかく、シャキッと体調が治りきらないので気が重い。夜になってなんとか落ち着いてきたけど。
 落ち込んでいても仕方ないので、気分転換に先週行った文楽公演の感想でも。3部は「妹背山婦女庭訓」。大化の改新を舞台にしながら、様式や価値観はすべて江戸時代のものとして書かれた壮大なストーリーだが、今回はその中から後半の、お三輪と求馬の悲恋と蘇我入鹿誅伐を描いた段が上演された。造り酒屋の娘、お三輪が身分違いの相手と知らずに求馬に恋をしたばかりに起こる悲劇と、それが皮肉なことに入鹿誅伐を企てる求馬の役に立つ、という悲しくて、またまた不条理な話。自分の恋に勇気を持ってけなげに必至に突き進むお三輪の一途さや気丈さを、蓑助さんが丁寧に情感たっぷりに演じていて引き込まれる。さらに、官女たちにいじめられ、なぶられた挙句の果てに怒りと嫉妬で逆上したときのお三輪のすさまじい変貌ぶりがまたおそろしくて、圧倒されっぱなし。蓑助さん、ほんとにすごい。
 にしても、そんなお三輪が、疑着(嫉妬)の相のある女の生血を注いだ笛が入鹿退治の役に立つからという理由であっさりと殺されてしまうなんて、何回聞いても不条理すぎる。お話とはいえ、よくこんな内容を思いつくものだよねえ。最後には自分の死が求馬の役に立つと知って喜びながら死んでいくお三輪さん、悲しすぎる。この段を観たのはたしか二度目なんだけど、今回は前回以上になんだか悲しかった。
 それから、官女たちのお三輪に対する陰湿なイジメぶりも、何度観ても本当に、憎々しい。あんまりひどくて笑っちゃうくらいなんだけど。女の陰湿ないじめっぷりは「加々見山旧錦絵」の草履打ちなんかでも出てくるが、いつの時代にもあるんだな〜と思って背筋がぞぞっとしてしまいます、はい。

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こんなふうにいじめるんだよ〜(パンフより)。

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