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2007年1月 7日 (日)

感劇話その26 嬉し楽しほろり、の親子3代共演

 今年最初の舞台は国立能楽堂で。野村万作さんの「万作・狂言十八選」第一回公演を観てきた。素囃子の「養老」でなんとなく寿いだ気分になって、狂言は『二人袴』と『靭猿』。楽しくて、親子や師弟の情愛などが感じられて、ほのぼのあったかい気分になれる2演目だった。『二人袴』は聟とその父親のコミカルなドタバタのやりとりが愉快。これは去年、茂山狂言でも観たけれど、演出といっていいのかわからないが、やっぱり流派が違うと微妙に違うものだなあと、そんなことも興味深かった。
 『靭猿』では、野村家の親子3代共演という楽しみもあって引きつけられた。大名に万作さん、猿曳(さるひき)に萬斎さん、そして、子猿に萬斎さんの長男、裕基くん。もう七歳になった裕基くんは背も伸びてそろそろ子猿役も卒業かなという感じだったが、萬斎さんがすっかり“親”になっていたように感じられたのが印象深かった。大名の命令で子猿を殺さねばならなくなり、その因果を子猿に切々と説明する猿曳と、それに対してあどけなく稽古を続ける子猿のいじらしさに、不覚にも涙を誘われてしまう(ほとんど自身とわらびの状態に重ねて観ていた自分のことが後で考えるとけっこう笑えるけど)。最後は大名も一緒に子猿と遊んで楽しく華やかに終わるのがまたいい感じ。
 以前、野村萬斎さんにインタビューしたとき、小さい頃から父の万作さんにとても厳しく指導された話をいろいろ聞いたけれど、今ではその萬斎さんがかつての万作さんのように厳しく裕基くんに稽古をつけているんだろうなあ。そして万作さんはおじいちゃんとして、厳しい父親の態度にちょっとハラハラしながら孫のことをあたたかく見つめているんだろうなあ……そんなことを考えながら観た。
 てな感じで、初観劇はとてもいい気持ちでした。今年もできる限りたくさん舞台を観に出かけたいと思ってまーす。

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プログラムより。これは数年前の親子3代共演の『靭猿』。

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