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2006年10月11日 (水)

感劇話その23 書く女たちと『書く女』を観た。

 また数日停滞してしまいました。すみません。数日、朝も早よから夜も遅うまで出かける日が続いていて、なかなかブログにゆっくり向き合うことができないのでございます。今月はそんな感じが続くので、また停滞することもあるやもしれず、先にお伝えしておきます。なーんて。
 さて、ちょっと久しぶりの感劇話になりました。先月も文楽公演には行っているんだけど、なんだかんだで書きそびれたからなあ。まあ、それはそのうちに書きますだ。
 というわけで、連休中に、永井愛 作・演出の『書く女』を観てきました。場所は世田谷パブリックシアター。天井が高くてなかなか心地いい劇場です。編集者S、ライターのMYちゃん、そして私、という劇団青い鳥の芝居を観たのと同じメンバーだ。そもそも誘ってくれたのはライター友達のMYちゃんだった。チラシのビジュアルは、書く女の仕事部屋。主演の寺島しのぶが、書けないのかなんなのかで、悩んでいるようなシーンが一面に出ていた。「もうこのリアルさがたまらない」とMYちゃんにいわれてそのチラシの写真を見た私も、一目で恋に落ちた、じゃなくてハマった。パソコンの周りに積み上げられた資料やノート、本、手帳。本棚の本の前に並ぶ絵はがきや香水瓶、薬瓶……かゆみをとめるウレパールプラスローションらしきものも写っていて、思わず、“わあ、いっしょ!”と心の中で叫んでしまうほどに、もうその雑然とした感じというか、片付けられない感じというか、書く女の仕事場としてすんごくリアルな情景なのだ(もちろん、私の机周りはもっともっとひどいんだけどさ……)。それで、「行く!」と即答したのだった。
 チラシのリアルさゆえか、樋口一葉のことを描いている内容だということは知りつつも、一葉のことはときどき効果的に出てくるだけで、あくまでも現代劇だと思い込んでいたのだが(誘ってくれたMYちゃんもそう思っていたようだ)、実際ふたを開けてみると、もろに樋口一葉のお話だった。それにちょっと肩すかしをくらった気分にはなったのだが、まあそれは自分の思い込みすぎのせいだったわけで、一葉の生きた時代の話なんだと認識して観れば、それはそれで楽しめるお芝居でありました。ただ、永井愛の現代劇をたくさん観ているMYちゃんにいわせると、次はぜひぜひ現代劇を観てほしい、と力説していたけれど。
 観劇後は同じ三茶にあるイタリアン「グッチーナ」でご飯。ライター、編集者という、書く仕事に携わる3人で、あれやこれやと放談した。共通意見の一つは、一葉の生きた明治時代も現代も、書く女をとりまく状況は大して変わらない、ということだ。淋しいことに。この事実って、けっこうトホホだと思うんだけどね……。しかし、皮肉なことにこの芝居においては、描かれ方も演技そのものも、女性たちの方が男性陣よりもはるかに力強く、存在感があったと思う。編集者Sとはもう18年近いつきあいだし、ライターのMYちゃんは90年代にともに「クレア」で書いていた仲。仕事の内容もスタンスも近いせいか、この3人で飲むと、仕事やプライベートの悩みでもグチでも、いろんな話を言いたい放題、トークが炸裂して妙に楽しい。

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話題のチラシ。観劇後にわかったんだけど、じつは撮影現場は永井さんのご自宅だったそうで......リアルなはずだよ。

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