« 熱狂の余韻 | トップページ | 感劇話その19 無頼派の妻は強くてかわいい »

2006年7月15日 (土)

感劇話その18 デンジャラス・ビューティ

 黒谷友香主演の「売春捜査官」を観てきた。つかこうへい作・演出の「熱海殺人事件」の黒谷友香バージョンであり、以前、大分市つかこうへい劇団が上演した「売春捜査官」の最新バージョンだ。黒谷さんには今年3月に「ペン・アテス」の差し入れ連載でインタビューした。ものすごくスタイルがよくて美しい人でありつつ、すごく体育会系で、欲とかこだわりのないサッパリした感じがずっと印象に残っていた。そんな彼女が、“熱海”の木村伝兵衛をどんなふうに演じるのか、ちょっと興味があった。
 なかなかおもしろかったし、黒谷さんは熱演だったと思う。周りの舞台俳優さんたちと比べると、滑舌が悪くて台詞が聞き取れない部分もあったけれど、まあもともとつかの芝居は早口が多いし。か〜なり長い台詞(まじで黒谷の台詞がすごく多い)をしっかり自分のものにしていて、その意味ではあっぱれだったと思う。あれなら橋田ドラマもオッケーじゃん? という感じである。それに、ホントにスタイル抜群。細身のタキシード姿がばっちりキマッていて、ヤな女をやっていても嫌みや嫌らしさがなくて、好演でありました。印象に残った台詞は、「義理と人情は、今は女がやっております」かな。
 それにしても、つかの芝居はもう数年ぶりだったけれど、相変わらず運動量は多いし、時事ネタやタブーもいっぱい盛り込んであって、今の時代もしっかり捉えていて、ヤバさぎりぎりなのに、それが前面に出る訳じゃなくて笑いとかほろっとさせるところがしっかりあって……そのバランスというか、天才だなあと改めて思った。刑事が容疑者に頭突きをお見舞いするシーンでは、1発、2発のあと、3発めは頭ではなく胸ぐらにゴン! ……こんなところにまで頭突きの波紋は広がっているのであった(客席の反応はというと、笑いもちょこちょこ出てました)。テポドンの話も出てきて、まさに脚本は7月11日の上演初日の数時間前まで推敲しているのではないか、っちゅー感じである。久々にまたつかの芝居を観てみようかなという気持ちにもなった。
 富田靖子、ともさかりえ、内田有紀、広末などなど、これまでにアイドル系の女優がつかの芝居に出たことでひと皮もふた皮も向けて、演技力がついたというケースがいくつもある。まさに黒谷友香もその道を進むのかなあという期待を抱かせる舞台だった。


Nec_0331

チラシです。ちなみに、ヒョウ柄の衣装は実際の舞台では出てきません。

« 熱狂の余韻 | トップページ | 感劇話その19 無頼派の妻は強くてかわいい »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 熱狂の余韻 | トップページ | 感劇話その19 無頼派の妻は強くてかわいい »