« 感劇話その10 狂言で笑初め | トップページ | 胸のつかえ »

2006年1月 7日 (土)

感劇話その11 笑初め連チャン

 一昨日の狂言に続き、昨日は落語を聴いて大いに笑ってきた。渋谷のパルコでやっている志の輔らくごだ。今月は3日から26日までの長丁場で、これまで10年間続けてきたパルコでの独演会の一つの区切りとして、新作や新古典ばかりのベスト12をピックアップし、1日にそのうち3つずつ噺すということらしい。

 前売りは完売だそうで席もほぼ満席。現代の庶民の生活の1コマを描いた新作「はんどたおる」「ガラガラ」と、彫金師が出てくる新古典「滝のそうみん(字がわからず、失礼)」。3席とも聴き応えがあって、1席50分くらいの噺もぜんぜん長さを感じない。登場人物一人一人の個性がとてもよく際立っていて、1シーン1シーンの映像がくっきりと浮かんでくるようであった。志の輔という人は、「ためしてガッテン」のときにはその饒舌ぶりがちょっと小うるさい感じもするのに、高座ではその雰囲気が全くなく、その噺の巧みさに引き込まれてしまうから不思議だ。中身の詰まった3時間弱だった。松の内に2日続けて楽しい笑いを満喫。いい滑り出しかも。

 帰り道、ベトナム料理屋に入ってフォーを注文。あまりに透明なスープで、飲んでみるとほとんど味がない。チリソースや甘味噌が出てきたので、もともと薄味の店で、自分で味を調節するのかなと思ったが、それでもまだ薄いので首を傾げながら、ヌクマム(ベトナムの魚醤)を頼んだ。ちょうど、数分前の志の輔らくごに、芋煮を作るおばあさんの噺が出てきて、「薄いと思って醤油を入れると辛すぎて、砂糖を入れると甘すぎて、また水を入れると薄すぎて......」という下りがあったことを思い出し、一緒にいたKちゃんと二人で笑ってしまった。

 そのうちチリ入りのヌクマムが運ばれてきたと思ったら、店員がやってきて、「お客様、たいへん申し訳ありません、作り直しますので」といって、器を下げていった。やっぱり、どうやら私らのフォーはどちらもスープのひと味を加え忘れたままで出されてしまったようだった。まじで味なかったもん。しかしそんなこともあるんだね。お店が混んでいたからあわてたのかなあ。ヌクマムを頼んだときに店員が私らの器を見て、あまりにスープが透明なことにハッと気づいたのだろうか。Kちゃんと、どこで気づいてくれたのかを考えてみたが、結局、店の人には真相を聞けず仕舞いだった。新たに出てきたフォーは薄い琥珀色。飲んでみると、そうそう、やーっぱこれがフォーだよねー! のコクとうまみがついていた。お店の人からは丁寧な謝罪の言葉もいただき、デザートのプリンもサービスしていただいた。思いがけないフライングだったが、その後の誠意ある迅速な対応は気持ちよかった。つくづく、お客さん商売は正直で誠実なことがいちばんなんだなと思う。

« 感劇話その10 狂言で笑初め | トップページ | 胸のつかえ »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。