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2005年11月11日 (金)

感劇話その6 カガミの恭子ちゃん

 10月から始まった朝の連続テレビ小説『風のハルカ』は湯布院と大阪が舞台。大分出身の私は同郷のよしみ(?)で第1回目をチェックしてみた。そしたら、湯布院・金鱗湖での結婚式のシーンで思わず目が画面に釘付けに。「き、き、きょうこちゃ〜ん?!」。幼稚園から高校まで同じ学校だった幼なじみの恭子ちゃんが出ているではないか! そ、そういえば恭子ちゃんは大分で小学校の先生をしながら、湯布院に本拠地を置く劇団に所属して、役者をやっているのであった。10年くらい前に渋谷のジャンジャンで公演があるという連絡をもらい、見に行ったこともあったんだ。湯布院を舞台にしたドラマロケに地元の劇団が参加していても不思議はない。参列者の役でほんの一瞬の登場だったけれど、私のトンボの目がたしかにあれは恭子ちゃんだ、とキャッチした。そうかそうか〜、出てるんだ。まだ役者さん続けてたんだ〜。しばし感激の私。結局それから、今日も出るかな〜と、毎朝森本直太朗のヨーデルのような声(主題歌を歌っている)を聞くようになってしまった。

 恭子ちゃんは、ハルカが通う小学校の先生役だった。その後も数回登場したが、ハルカが大人になった最近は、もう登場することはないようだ。だけど、ついついその後も『ハルカ』を見ている私。すると先日、携帯が鳴った。出ると、なんと恭子ちゃんではないか。また劇団が東京で公演をやるという連絡だった。9日と10日の2日間だという。9日は原稿書きがあるので10日なら行ける、と返事をした。こんな時期に東京公演? 小学校の先生の仕事は休んで来るのか? 詳しいことは聞けないまま、ゆうべ下北沢駅前劇場に芝居を見に行ってきた。

 原稿書きが結局、昨日の午後に終わったので、そのまま自宅から下北に向かう。三軒茶屋で電車を降り、そこからタクシーに乗って「下北まで」、と告げると、運転手さんが「本田劇場?」と聞いてきた。なんでも、クドカンが本田劇場で舞台をやっているらしく、さっきも三茶から女子を乗っけたんだと。クドカンにも心動かされるけれど今日は恭子ちゃんだ。19時開演に滑り込みで間に合うと、席はほとんど埋まっていた。出し物は、『白雪姫』を現代風にアレンジしたもので、この劇団の定番的人気演目を2001年9・11以降の世界にフィットするようにリライトしたものだった。恭子ちゃんはカガミの役だった。10年前にジャンジャンで見たときにも思ったことだが、あのおとなしかった恭子ちゃんが、舞台の上でこんなに大胆に演技して、大きい声を出すようになるなんて.......まだ信じられないような、不思議な気分だった。

 恭子ちゃんとは幼稚園の頃から仲良しで、小学生のときには学校が終わると毎日のように恭子ちゃんの家に遊びに行って、絵本や童話を読みながら、絵や漫画を書いて遊んだものだ。私はその頃、漫画家になりたかったし。恭子ちゃんは、生意気でませガキだった私とはぜんぜん違って、小さいときからおとなしくて控えめで、やんわりした笑顔がやさしい子だった。中学高校は同じクラスになることはなく、恭子ちゃんは理系だったので、話をすることもほとんどないまま、そのまま卒業して、大学時代にもあうことがないままだった。

 そんな私に、90年代になっていきなり公演の連絡をくれた恭子ちゃん。大学以降、彼女の人生にどんなことがあったのか何も知らないまま、芝居を見て別れた。それからは年賀状のやりとりが何年か続き、そしてまたゆうべ、数年ぶりの舞台。公演終了後、カガミの衣装のまんまでいる恭子ちゃんに花を渡して、ちょっとだけ話をしてまた別れた。夕飯でもと思ったけれど、劇団で打ち上げがあるというし、今日の朝イチの飛行機で大分に帰り、小学校の遠足の引率があるということだった。今頃は小学生と一緒にお弁当を食べているのだろうか。大分市内で学校の先生をしながら湯布院まで通って劇団の活動を続けるのはそんなにラクではないだろうに、でも舞台の上の恭子ちゃんは本当に生き生きとしている。芝居が大好きなんだろうなあ。今回はメールアドレスも交換したので、お互いのこれまでの十数年間の話なんかを少しずつのんびりとやりとりしたりしてみようかな〜と思っている。

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